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印度林檎之介@小説
2014年6月5日 02:36
ポポルが老人を見つけたのは、夏も近い頃、誰も行かない森の奥の大きな木の下であった。ポポルや村の子供たちが普段遊び場にしている場所よりずっとずっと奥である。老人は足にケガをしており、じっと木にもたれかかっているのだった。また、かなり弱っているらしく、ポポルを見ても何事かつぶやき、微笑むだけだった。ポポルはすぐに老人が、大人たちが話す敵対する部族の者だと気がついたが、しかし、おだやかに微笑む