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22歳、18年間社宅暮らしの私

今思えば、都会にいながら田舎暮らしのようなことをしていたのかもしれない。兄弟はいなかったけど、兄弟のような人たちはたくさんいたかな。

私は父の勤め先の関係で、父の同僚が身近に住む社宅暮らしをしていた。平日、朝学校へ行く前は会社の人たちに「行ってきます」「行ってらっしゃい」と言い、帰ってくると「ただいま」「お帰りなさい」と迎えてもらっていた。類を見ないほど人を寄せ付ける父と母は、来客を歓迎し、よく若い社員に食事を振舞った。

かくいう私も、一人で留守番のときに社員の一人が訪ねてきて、「コーヒー一杯いいですか?」と言われてコーヒーを淹れ、小学生と30歳が世間話に花を咲かせるようなことをしていた。

「関係性」がすごく重要だ。今時、人と人との距離感がどんどん遠くなっていく中で、稀有な人間関係の中に私が生きていたと思う。私の性格の一つである「基本的に人を信じるところ」や「何か贈られる、贈ることが好きなところ」は、こういった生活環境が影響していると思う。とても良い大人たちに恵まれていたからこそ、今の私があると思う。

サムネは現在寮母の母の夜ご飯で、私の好きな献立。もうすぐ母も寮母としての生活が終わる。自由な生活を楽しんでほしいと思う。

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