NFTを買うぞってエッセイ(その4)

あらすじ：NFTを買うためには仮想通貨が必要だ。そのための手続きが行えるあれこれに登録したナンギン。だがそれが終われば、いよいよ現金を送り込まねばならない。その重圧に彼は耐えられるのか？
ネタバレ：辛いけど送り出す

これが……コレが私の……一万円だぁ！！

はい、当座の運用資金です。

たった一万円かよぉ！！　と言われたら一万円。投資に運用するには低い、低すぎるぅ！！　かもしれませんが、いまからコレをドブに捨てますと言うにはあまりにも高い。

高い(切実)。

なんなら振込手数料で、私すでに赤字ですからね。200円ちょっと取られてますし。

手数料でちょっとした甘いものくらい食べれましたから……更に言うとNFTを買うために仮想通貨に変換するのでまた手数料取られますし。

ふ、増えるの？　これ、増えるの？

すでにまあまあ、怪しい。多分増えません。そんな気がします。

うひょー、刺激的だぜ！！　全然盛り上がらね―！　止めたくなってくるぜ！！

でもやる。さらば私のだった1万円。

そりゃね。イカレた投機家のマネーゲーム会場に一万円を放り込むわけですから、もう、あれですよ。野獣のようにガウガブガブ。私の一万円はズンパラリン、凌辱系R18作品のヒロインのような目に合わされるんでしょう。可愛そうだね。

まあ、一万円なんて端金、誰が見向きするか！　みたいな感じかも分かりませんが。怖ぁ……。

ただ、NFTは仮想通貨を直接運用するのとは違って、いくらでも変換できるというものではないので、１万円でもまあまあ、やらんとせんことはできるんである。たぶん。

そう！　欲しい絵を買うのではなく、１万円で買えるものを選んで買えば良いわけなのだ！　おそらく。

何で私が及び腰かって言うと、実際売り場はまだ見てないからだ。だからNFTがいくらかは知らんのである。ミリしらだ。

でも落書きだもん。そんなに高くないでしょ？(偏見)
だってDLsiteで1万円あったら豪遊できちゃうよ？　半年分くらいのおかずには困らない。

そこで買って、キャッキャッ言ったら売れば良いのだ。ちょっとお値段を高くして。

そしたら絶対損はしないのである！(なお、必ず売れるものとする)

まあ一抹の不安もある。

例えば仮に、もしも、もしかしたら、あるいは万が一つに売れなかったとしよう。

だがそんなことは起こり得ない。だって、売れるまで売ればいいからだ。

長期保有が強いのもあるある。投資は長期、投機は短期。短期は損気というわけだ。

とはいえ、長期保有は運用資金の凍結を意味するので痛し痒しである。ままならないね。でもいいの、私ってば不労所得は欲しいけど、投機家じゃないからね。

ぬわははは、勝ったな。

とりあえず……買ってみるか。

手続き的な話でいうと、私は「Coincheck NFT（β版）(コインチェック NFT)」というところでNFTを買うつもりである。

私は「Coincheck(コインチェック)」の自分の口座に1万円入れた。これで購入できる……というわけでもなく、もう少し手順がある。

まずNFTは仮想通貨でしか購入できない。ので、一旦仮想通貨に変える必要があるのだ。ちなみに仮想通貨は色々と種類があるが私が変えるのはイーサリアム（ETH）である。

いーさりあむ？　なんだそれ、聞いたことねぇ……。

私が知ってる仮想通貨はビットコインとモナーコインだけだ。顔文字にはちょっと煩いのである。

だが買えというのであればしょうがない。

ちなみに日本円を仮想通貨ETHに変えるアイテムこそがコインチェックだ。このために登録したんである。伏線回収だ。

んじゃま、変換しましてぇ……。(当日のレートは212452～215040をギッコンバッタン)

はい0.045243EHTだよ。ちゃりーん。

わぁお。私の1万円、小数点以下になっちゃったぁ……。

日本円にすると9656円になったよ(手数料引き)

うわぁー！　振込手数料と合わせてすでに600円！！　ざっくり一食分損しとるやないかーーーい！！　くそったれぇ！！！

という文章を書いてる間に、値が下がって9654円である。んぎゃー！

とまあ、このように仮想通貨というのは本当に秒ごとに値段が前後しながら、ズーッと流れるので頭がおかしくなっちゃうよぉ。という代物である。円形脱毛症になっちゃうね。

まあまあ、もし私がしているのが仮想通貨だけの取引なら、この手持ち資産が1万円を超えて、手数料なんかを踏まえて日本円に戻す。そうしたら儲けがでるわけだ、わーい。

しかし行ったり来たりさせるだけで1000円くらいかかるので、1万円をぶっこんでも実質9,000円くらいが元種。勝負に出る段階で－1000円なので、なかなかだ。
まずは一割増やさないといけないと元手の取りようがないのである。

わーお……などと言ってたら、9640円。おかしくなる！　おかしくなっちゃうぅ！！

話してるだけで11円も損！！　おお、ブッタ。ここが魔界ですか。

実に体に悪い場所である。これで借金したり、ビバレッジかけたり、そういう事してたら頭沸騰しちゃうよぉ。

とはいえ、今回はノー借金、ノービバレッジ。20円損しようが30円損しようが同じである。

だって1万円が無くなると思って私はこのエッセイを書いているからである。この考えがある限り私は無敵だ！　ぬわはははは。

あっ、9648円になった！　もっと上がれぇ！！！

……はっ！？　おかしくなってた！

危ない危ない。ここは魔境だ、正気を失ってしまう。
次の工程に行こう。お次は登録してあった「METAMASK(メタマスク)」だ。

コレは仮想通貨のウォレット……さっくり言えば、仮想通貨のお財布であるらしい。コレと連携させると、いよいよ購入できるようだ。

ただ、「コインチック」から「コインチェックNFT」をやる場合はウォレットは特に必要ないよ……みたいな記述も見かけたが、よくわからないので手持ちのマニュアルにしたがって「METAMASK(メタマスク)」を使うことにする。

よくわかんないからね、しょうがないね。

としていたら、ここで大きく躓いた。

メタマスクに仮想通貨を送ることができないのだ。

というかメタマスクとの接続ができないのである。

なじぇ？

説明文を読んでも、ちんぷんかんぷんワカランチンである。こうすれば上手くいくって書いてあるのなぁと、上手くいかないことがわかってるのに、何度か試す。

？？？

こうなってくると、調べ直しである。

だいたいこういうときは調べた対処法を総当たりで試してしまい、成功したときには不必要だったアプリが2、3個余計にダウンロードされてしまい……というようなこともしょっちゅうだ。

今回は金銭が関係してるので慎重に行いたいところ。

まず確認である。メタマスクは入ってるなぁ……グーグルクロムの拡張機能として元気に動いている様子である。

となるとマニュアルをもう一度読み直す。

コインチェックNFTをやるのにはメタマスクが必要だよ。と書いてある。

でもコインチェックに登録したら、それだけでコインチェックNFTが買えるよとも書いてるところもある。じゃあ、メタマスクは不必要なのかしら？

だって出し入れすると、その分手数料がかかるんじゃないの？
マニュアルを読んでいくうちにクエスチョンマークが増えていくが、私の疑問に対して答えてくれる物知り博士は特に居ない。孤独な探求者が私である。

こ、このままでは1万円を仮想通貨に変換して、その上がり幅でキャッキャッ言う遊びしかできない。散々、NFTは詐欺だ、詐欺だと言っておきながら、その入口手前で力尽きる人になってしまう。そいつはチョーダサいじぇ。

というか、サクサク進んでいる間はいいが、こういうジットリした停滞の中にあると、「素直に官能小説の続きを書いてればよかったなぁ」とか「やる夫スレをもっとしたいなぁ」とか、そんな考えが湧いてくるのである。そうなってくるとやる気はグングン減っていく。

それこそエッセイであるから、ここが変なんですよぉとスクリーンショットを載せても良いのかもしれないが、その場合載せてはいけない情報まで載せちゃうんでは？　と心配になってしまうのである。五里霧中とはまさにこのことだ。

とはいえ、わたしには夢がある。不労所得にて金銭を得て、そして自由な時間を作り、そしてエロを書くという夢である。ここですべてを投げ出したことで、忘れた頃に仮想通貨の値段がばく上がり、私は億万長者なんてシンデレラ・ストーリーはこの際考えてはいけない。

あっ、９６６４円になってるぅ、やったー！　６円儲け……。

ぬがぁあ！！　ちがぁう！！

とにかく調べ直しである。接続の問題が機材的なもので、その責任がメタマスク側にあったり、コインチェック側にあったりするのかもしれないが、調べておくことが後々役に立つかもしれない。

というわけで調べ直しである。

なるほど、やっぱりコインチェックからメタマスクに仮想通貨を送るときはお金がかかるのね。

送料が0.005ETH？　それっていくらだ？　えっと……1000円？　1000円！！？？

お、送るだけで1000円も取られるのぉ！？　こちとらすでに600円も払ってるのに！？

バカバカバカ。そしたら使えるお金は8400円だよ！？　えっ、別の会社のアプリなら、その手続もお安い？　ただ㌨？　へ、へ～。

心臓バクバクしてきた。向いてないのかなぁ。

しかし気になるのはコインチェックから、コインチェックNFTを使うときは手数料もかかりませんよ……と言った記述があることだ。

だったら、やっぱり別にメタマスク要らないんじゃないの？　ってことになるわけである。

だって、コインチェックにお金があって、コインチェックで買い物するなら、わざわざメタマスクに送金する必要もない。

これで送金して、メタマスクからコインチェックNFTでお買い物するときはまた手数料1000円です、なんて言われたらバカみたいじゃないか！！

だが、その場合もメタマスクとの接続は必要だとも書いてある記述があるのだ。その説明も買ったNFTの保存先にするからといった具合だ。

いやまあ、100歩譲って倉庫的な意味でメタマスクが必要で、その経費がかかるならしょうがないけど……このマニュアル、そうはなってないんですけど？

これがコインチェックに入金、メタマスクへ入金、それでコインチェックNFTで購入、それで買ったものをメタマスクへ送るとなったら、行ったり来たりの大渋滞。手数料何回払うねん！！　って話になるわけだ。とてもじゃないけどまともではない。

いや自分はNFTをまともだとは思ってなかったわけだけど、それだってあんまりだ。「だから10万円くらい元金が必要なんですよ、うわはははは」だとすると魔界である。

だが流石にそこまで腐り落ちた魔界では無いであろう気がする。

しかし、色々調べてみて感じるのは……コインチェックとメタマスクの連携をするだけなら、無料に間違いなさそうだぞ？　ってことだ。

コインチェック側には私のメタマスクのアドレスがしっかり表記されている。

メタマスク側にもコインチェックと接続済みの表示がある。

明らかに二つは互いを認識している。だがコインチェック側にはデカデカと未接続の表示がしっかり出てるのだ。

確かに未接続だと出ているのである。

う、うーーーん？　うーーーん、簡単五分で接続って書いてあるんだぞ？　できねえってことはないだろう。

散々悩んで、パソコンの再起動などもしてみる。

私は散々悩んでパソコンの再起動をするのが嫌いである。コレで解決することが多々ある。な、なんだった。私が悩んだ時間は……と呆然とするからだ。

だがもっと嫌いなのは……それでも解決しない時だ！！

あばばばばばっばばばばっばば！！　解決しなかった！　

残された手としてはコインチェックからメタマスクに1000円払っての送金だ。

この送金もやり方がよくわかんないので非常に不安。試しにめっちゃ少ない金額で送ってみたいが、その場合でも1000円の手数料がかかるので、お試し＆本番で2000円の出費である。

こ、壊れちゃう。ナンギンちゃん壊れちゃうよぉ。NFT買えなくなっちゃうよぉ。

まんじりと汗をかくとはこのことだ。別に損をしてもいいとは思っているが、それは操作のミスのようなものでお金が減っても良いと思ってるわけではないのである。

私はNFTの取引で損をするのは容認すると言った！　だがそこに辿り着く前に金を溶かしたいわけじゃないの！

だが操作的なことで止まったのも、たしか……となればここはもう。

お問い合わせしかあるまい。

諦めである。だがお金は減ってない。だから引き分けである。

わーい、9668円になったぁ。12円上がってるぅ。

続く