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朝がねぼすけ

朝がねぼすけである。

私がねぼすけとも言えるが、日が短くなり、同じ5時半でも寒くて暗い。

寒くても暗くても、時間になればシャッキリ起きられる人は、それだけで素晴らしい。

私はウジウジする。布団との別れを惜しんで、スマホの目覚ましを消して、ぬくぬくしている。

それでも、えいやっと起きられたら、着替える。パツパツのランニング用のスパッツ(レギンス呼びに慣れない)を履いて、着々と着衣。


首には中川貴雄さんの手拭いを巻く。あんまり可愛いからみせびらかしますね。

だいぶ使い込んできて味わいでてきた

白いキャップを被ると、今、ソフトツーブロックのため、刈り上げがお目見え。鏡にうつる人間の性別が不明で気に入っている。


暗くてやっぱりクマが怖いので、Spotifyをかける。タイマーを20分にセットする。走り始めて調子がわかる。どこも痛いところがないことが嬉しい。


走りながらコースを決める。ここを曲がるか直進するか。20分で帰り、シャワーをして弁当を作る。円滑にするにはどうするか。おかずは何をどんなふうに詰めるかを考えながら走る。
ポケットから、サンボマスターが私を励ます。できっこないをやってるよと答える。


途中、豚舎の脇を通るコースを避けてもう一本奥の曲がり角を目指す。


少しずつ遠くへ。弁当には冷凍食品の炒め物をいれようと思い直す。あれなら6分でできる。


息が上がる。子供の頃の持久走を思い出す。200メートルのグラウンド1周を1分を切って走って、5周1キロを5分切るぐらいで走れていたこともあったのに、年を重ねてできなくなることもたくさんある。


縄跳びも、逆上がりも、マット運動も。


小学生の私に敵わない。


時間を重ねて、手放したもの、距離ができたものを思う。 


進化した気になって退化して。


それでもこうしてまた、私は走り出している。


不格好でも、鈍足でも。


これは前進でしかない。


ポケットからはaikoが流れる。


私もずっと意地を張ってられないからと歌うaikoにそうだよねーと相槌をうつと同時にアラームが鳴る。


20分の朝ジョギング。ねぼすけの朝もむっくりと起きて、街は明るく照らされる。さあ、今日がはじまる。


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