てれびのむこう。
昔、「てれび戦士」になりたかった。
(てれび戦士とは、教育テレビで放送している『天才てれびくん』に出演している子供たちのことだ。)
幼稚園生だった2004年とか2005年から、中学2年になる2013年くらいまで、「天てれ」を観続けた。
当時、天てれを夢中で観ていた私には、
カラフルな衣装を着て、カラフルなスタジオで楽しそうにしているてれび戦士たちが、キラキラして見えた。
いや、実際にキラキラしていた。
同年代の子たちが、やけに大人びて見えた。
そんなてれび戦士に憧れを持ち始めたのは小学2年生の頃。
司会が TIM から 安田大サーカス に変わった2007年。
その年の設定はこうだ。
幼い私は、これにドキドキが止まらなかった。
学校から帰ると、郵便物を確認するフリして、
「もしかしたら…」
「なにかの間違いで!」
そんな淡い期待を抱いて、
家のポストを覗いては、届くはずのない眼鏡を待っていた。
それから6年経ち、2013年。
勿論私がてれび戦士になるわけもなく、中学2年生を迎えた。
中学2年生、それは戦士として活動できる最後の年。
私はその年に、天才てれびくんの視聴をやめた。
正確に言えば、中学2年になる直前だっただろうか。
中学生になって、小学生の頃のように天てれを楽しめなくなったり。
MAXが終わってしまったことへの悲しさだったり。
(2011年度に『大!天才てれびくん』に切り替わった。)
2009年から4年間出演してた鎮西寿々歌ちゃんと長江崚行くんが卒業したことだったり。
(2013年まで残ってた金子隼也くんも好きだったけど。)
そのころ、ジャニーズグループのファンになったことで、夕方ニュースのエンタメを注意深く観るようになったのもきっかけだったかもしれない。
でもやっぱり、小さい頃に観ていたもの、聴いていたものっていうのは結構覚えていて。
MTKの曲だって、10年以上経った今でも歌えたりする。
(MTK: MUSIC TEREBI KUNの略。番組内の音楽コーナー。)
先日MTKを聴いていたら、懐かしさに涙が止まらなかった。
それに、てれび戦士上がりの子たちが、大きくなってテレビに出ていると、無性に嬉しくなる。
「うわ〜!ねえ!この子あれだよ!天てれ出てた子!!」
親に言ったとて、ポカンだが。
前のめりになってテレビ指さして。
まるで小学生時代の友達がテレビに出ているかのような、そんな感覚。
23歳になる今でも興奮するくらい、
天才てれびくんは、
てれび戦士は、
私にとって、とても大きな存在だった。
どうやら周りの子たちはみんな、
当時観ていなかったり、
観ていても記憶に残っていない子が多いらしく、
天てれを語れる相手がいなくて寂しいけれど、
それでいい。
寂しくていいから、
来世は、眼鏡が届きますように。
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