それっていったい、どこにある?
私は本を読まない人間である。
どうもあの、つまりにつまった活字が苦手で、読む気になれない。
読み始まるまでに時間がかかるし、
読み始めたとて、集中するまでに時間がかかる。
「これさっきも読んだよなあ?」と思ったら、同じ行を何度も読んでいたり。
一旦休憩なんて挟もうもんなら、ある程度前に戻っておさらいしなければならない。非常に面倒だ。
それくらい、本を読むことが苦手だ。
だが、そんな私でも、文章を書くことは好きで。
小説なんて読みやしないのに、なんだかそれっぽい文章を書きたくなる。
如何せん、本を読まないから表現力や語彙力がない。
本は滅多に読まないが、noteだとか、コラムだとか、そういった類のものは多少読むようになった。
人が書いたnoteを読んでいると、執筆意欲がとても湧いてくる。
最近意欲が湧いたのは、ランジャタイ国崎さんのnoteを読んで。
今回も、彼に触れていきたいと思う。
漫才を見ていても思うが、国崎さんの表現力は計り知れない。
そこに実際にはないのに、実際にあるように見える。
そんな彼の文章における表現力もとても素晴らしい。
この記事、ファンの皆さんは読んだことがあるのではないだろうか。
私が初めて読んだ国崎さんのnoteはこの『じいちゃん』だった。
すうっと入ってくる文章に、まるで自分がその場にいる、
あるいは彼が見たその映像を観ているのではないか。
そう勘違いしてしまうほどに、情景を伝えてくれる。
涙なしでは読めない記事の後に、私はその当時最新記事だったこれを読んだ。
別にいいんだけど、いいんだけど、
多分『じいちゃん』のあとじゃなかった。
タイトルにも、冒頭部分にも、これっぽっちも疑問を持たなかった。
『じいちゃん』で泣いたのに。
『まわるこの大地に』でまた泣かされるとは思わなかった。
笑い過ぎて。
いまだかつて、文章を読んでこんなに笑ったことがない。
あの部分を文章と言っていいのかわからないが。
まるでランジャタイの漫才を文字起こししたかのようだった。
全て彼の声で脳内再生される。
いつの間にかタイトルとは違う話の内容になってて、
きっと彼の隣で、黒の彼が「なあに!こわい!」って言うんだろうなあ。
そんなのお構いなしに、ずっとグラサンかけちゃうんだろうなあ。
そんな想像力を掻き立てられるような文章。
真面目なものから、おちゃらけたものまで、
どんな文章でも読み手を引き込む、その表現力はとても羨ましい。
きっと彼はたくさんの経験をしてきたのだろう。
そして、文章を素直に書いているのだろう。
もちろん、私より一回り上だから、その分、経験値は高いのだけれど。
なんというか、ことある毎に、色濃く残るような体験をしてきたのだろうな、と。
そして、それを文字に起こせるほどに、覚えている。
私だって、子供時代の記憶はそれなりにある。
しかし、上手く文字に起こせるかと言われれば、またそれは別の話。
ああ、そうか。
ここまで書いて、やっと気づいた。
本を読むことばかりが大事じゃないのかもしれない。
いろいろなものに触れることが大事なのかも。
そうしたら、きっと、今より幾分、ましな文章が書けるのかも。
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