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Photo by
voice_watanabe
「おまけ。」がなくなった話
先日、家の近くのお肉屋さんに行った時のことです。
久しぶりに訪れたそのお店では、いつの間にか支払いが電子決済に切り替わっていました。
その時は「便利になってよかったな」と思い、スマホをかざしてピッと支払いを済ませたのですが、どこか寂しい気持ちが残りました。便利になって良かったはずなのに、なぜか心が晴れなかったのです。
しばらく考えて、この気持ちの正体がわかりました。
お店が現金払いのみだった頃、私はそこで売れ残りの馬肉を買ったことがありました。だいたい1480円くらいだったと思います。
売れ残りを買ってくれてありがとうという気持ちからか、そのお会計でお店のおじいさんが「それ1000円でいいよ。おまけ。」と、笑顔でおまけしてくれたのです。もちろん、おまけを求めていたわけではありませんが、その心遣いが嬉しかったことを覚えています。
それを思い出して気がつきました。
電子決済になったことで、自分の気持ちや厚意を表す手段がひとつ減ったのだと。
それ故にその思い出がセピア色になってしまったような寂しさがこみ上げてきたのだと。
デジタル化が進み便利になった反面、こうした温かみのあるやり取りが少しずつ失われているのだと感じました。
デジタル化の便利さとアナログの温かさを両立させるような仕組みを作れないものかと、このnoteを機に問いかけたいと思います。