MDXを元にアレンジしたMIDIデータをDAWで作った時のあれこれ(1)
最近FL Studioを買って、色々と遊び始めたのですが自分用のメモ書きという意味合いも込めて記録していきます
過去の音楽制作
その昔(35年前くらい)は、SHARP X68000を使って曲データを作っていました。MML(Music Macro Language)というものを使って作ったり、STed2というステップシーケンサを使ったりしていました。X68000自体もFM音源(OPM)が載ってたりADPCMで生音を取り込んで鳴らしたりも出来たんですが、MIDIを使った外部シンセサイザーで、音を鳴らすのも流行っており、ROLANDのMT32/CM64やSC55などをメインにX68の内蔵音源とミックスして鳴らすというのが一番定番だったと記憶しています。そのころのデータが今も手元にありました。ゲームから吸い出したデータとか、耳コピーで打ち込んだデータです。当時もOPMのみのものをMIDI音源用に作り直すというのはやってたのですが、現代の技術ではどうだろう?というのが今回のネタになります。MDXで鳴っていたFM音源原曲をMIDI音源に変えるというのは、当時としては、単純に良い音(当時はそう思っていた)に変えるという感覚だったのですが、現代においては、むしろFM音源のほうが味わい深いという印象もあり、心境としてはけっこう違うものがあります。
素材の準備
さて、DAWは上に書いたFL Studioを使うのですが、昔と違って現代は、音源はハードウェアではなくソフトウェア中心(プラグインと呼ばれる)になっていました。いわば、際限なくシンセが用意できるわけです。(動かすPCのマシンパワーにも依存しますが)これが良いようで、悩ましい。DAW側の操作の理解とプラグインの準備にまず、すごい時間がかかりました。(現在もプラグイン収集中)新規に始める人はまずここでハードルがありますが、まずはFL Studioであれば標準でついてくるFLEXを使ってみるのがいいのではないでしょうか。ちょっとクセのある音色が標準では多いですが、General MIDIのプリセットとかそつのない音色もあります。プラグインは、無料のものも有料のものもあって、無料のものはそれなりだったり、けっこう使えたり様々です。有料のものは当然出来はいいのですが、お金がいくらあっても足りなくなります。この辺はある程度無料のもので試しつつ、有料にもぼちぼち手を出すくらいでいいのではないでしょうか。
さて、DAW側はキリがない(のと、それほど詳しくない)ので、MDXのほうにいきましょう。MDXはX68000でよく使われていた内蔵音源+ADPCMの再生システムMXDRV用のデータになります。今だとネットにも多数転がってるので、探してみましょう。(私の場合は、手元に大量にある)これをまず、トラックごとにWAVデータにします。(各トラックでどういう音が鳴ってるかを確認するため)ツールを用意しました。
さらに、MDXから音色データを抜いたり、逆変換してMMLにしたり、MIDIデータに変換したりするツールを作った人がいるので、これを利用します。
これらを使って、MDXから、以下の素材を準備します。
mdx2midiを使って、MDXデータを標準MIDIファイルにする
mdx2wav trackを使って、MDXの各トラックごとのWAVデータを作る
mdx2mmlを使ってMMLデータを作る(細かいチェック用)
mdx2opmを使って音色データを抜き出す(VOPMで使う)
これで、基本となる素材は準備できました。DAW側での作業に取り掛かりましょう。
DAWに取り込む
mdx2midiで出力された標準MIDIデータをFL Studioに取り込みます。取り込むときには、MIDIチャンネルごとに別トラックに取り込みましょう。そうしないとトラックごとの音源を変えられません。
ここでの注意点は、MDXからMIDIに変換したときにいくつかの要素が抜け落ちていることです。
音色指定は消えています。VOPMなどのプラグインを使えば、mdx2opmで変換した音色データを取り込むことはできます。
ソフトウェアLFO指定も消えています。MPほげほげでMMLに指定されているいわゆるビブラートは、MIDIデータに反映されていません。
テンポと音長はキープされていますが、いわゆる拍(4/4拍子とか)は、考慮されていません。DAW上は4/4で小節が表現されているのに、三小節分(12拍)で、4小節分が含まれていたりします。表現が難しいですが、原曲の拍を自然に勘定すると4/4で4小節あるように聞こえるものが、テンポとの兼ね合いでDAW的には三小節になってしまうということです。(まだわかりにくいな・・・)本質的には問題ないので、今回は放置しましたが、小節の区切りと音楽の小節を一致させたい場合は、テンポを変えて全体的に音長を変更する必要があるでしょう。
取り込みが終わったら、ラックには、トラックごとのシーケンスが入力された状態になると思います。
今回はここまで。次回はDAWでどう修正していくのかを書きたいと思います。