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【企画展のスゝメ】榊原澄香ペーパーアート展

 ただいま新美南吉記念館では、企画展「榊原澄香ペーパーアート展~紙から生まれる南吉童話の世界~」を開催しています。
 立体的で“奥深い”紙の世界は、まさに圧巻!
 そんなペーパーアート展の内容と見どころをご紹介します。


◎紙から生まれる南吉童話の世界

 ペーパーアート作家の榊原澄香さんは、長年、知多半島の小学校に教諭として勤務し、1997年頃から「ペーパーアート作品」を作り始めました。その源流は学校の掲示板にあるといいます。子どもたちは文字よりも絵、それも立体にしたものを出すと、興味を持って見てくれたのだとか。

 新美南吉記念館ではそんな榊原さんに、毎年、新美南吉をテーマにした作品づくりを依頼しています。先日、新たに南吉の伝記物語「良寛物語 手毬と鉢の子」の大型ペーパーアートと、新美南吉記念館開館30周年を記念した作品「お話、たくさん出ておいで」が加わりました。
 2025年現在、記念館で収蔵している作品数は52点にのぼります。

開館30周年記念作品(左)と「良寛物語 手毬と鉢の子」(右)

 会場では、1998年に制作された「ごんぎつね」の連作ペーパーアートから、最新作「お話、たくさん出ておいで」まで、大型作品を26点展示しています。

 立体的で、今にも飛び出してきそうな迫力は、写真だとなかなか伝わりません。ぜひ会場へ足をお運びいただき、その目でご覧ください。
 人やもの、背景によって、使われている紙の素材が異なるので、細かな工夫を探してみるのも面白いですよ!

 よーく見ると、日常生活で見かける、あんな紙やこんな紙を使っていたり……?

展示風景①

◎1年1冊! 南吉童話のペーパーアート絵本

 榊原さんは2013年から、ペーパーアートを用いた南吉童話絵本の制作にも取り組まれています。これまで『巨男の話』『正坊とクロ』『ごんぎつね』など11冊の絵本を制作してきました。
 今年2月には、新作の『のら犬』を出版されます。

 会場では、『のら犬』の全原画(18点)も展示中!
 ストーリーのキャプションをつけているので、お話を知らない人でも、ペーパーアートを楽しみながら内容を追っていくことができます。

『のら犬』表・裏表紙 ©榊原澄香
展示風景②

 常念御坊は碁が何よりも好きでした。今日もとなり村の檀家へ法事に呼ばれて、つい日が陰るまで碁を打ちつづけてしまいました。その帰り道。常念御坊が後ろを振り返ると、一匹の犬がついてきます。不気味に思いながら行くうち、夜になりました。提灯の明かりだけを頼りに歩いていくうち、常念御坊はふと、自分の後ろについてきているのは、犬ではなく狐ではないか、と考えてしまいます。後ろを振り向くのは怖いので、不気味なりにぐんぐん歩いていき……。

「のら犬」あらすじ

 お話の続きは、企画展にて。

 これまで榊原さんが出版されたペーパーアート絵本は、全て会場で読めるようになっています。(感想ノートを置いている机の棚をご覧ください)
 合わせてお楽しみいただければ幸いです。

(堀崎倫弘)

◎展示概要

「榊原澄香ペーパーアート展~紙から生まれる南吉童話の世界~」

  • 会期 2025年1月18日(土曜日)~4月6日(日曜日)
    ※休館日:毎週月曜・第2火曜日(祝日は開館し翌日振替休館)

  • 時間 9時30分~17時30分

  • 場所 新美南吉記念館 展示室

  • 観覧料 220円(中学生以下・障がい者手帳をお持ちの方は無料)

◎関連イベント

「ペーパーアート教室」

  • 榊原澄香さんを講師に、南吉童話をイメージした半立体のペーパーアート作品をつくります。

  • 日時 2025年2月22日(土曜日) 13時30分~15時30分

  • 場所 新美南吉記念館 工作室

  • 対象 小学4年生以上(大人のみの参加も可)

  • 定員 16名(先着順)

  • 持ち物 はさみ・ピンセット・木工用ボンド・鉛筆・カッター

  • 参加費 700円

  • 申込み 2月2日(日曜日)9時30分から新美南吉記念館へ

この作品を作ります(B5サイズ・額縁付き)

上記イベントへの問い合わせ・申し込みは新美南吉記念館まで。
〈TEL〉0569-26-4888
https://www.nankichi.gr.jp/

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