群馬県内自治体の事例は広島よりひどい(2024.2.21の記者会見でお話しします)
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群馬県内の自治体の事案も、広島県同様の事例ですが、教育長ではなく、当時の公職者です。
2022年2月、広島県教育委員会の職員は、京都市のNPO法人「パンゲア」の高崎俊之副理事長と、有志の高校生徒の課外活動を指導する事業の次年度予算をめぐり、メールでやり取りをした。職員は高崎に「予算として、1037万円の見積りをいただいているが、700万円程度に収まるよう調整することは可能か」と問い合わせ、「既に2割以上のディスカウントをしている」との返信があると、さらに「財政担当部署と連携したところ、750万円程度になるよう再調整していただくことは可能か」と打診した。これらのメールはパンゲアの森由美子理事長や県教委の課長にも同時に送付された。県教委はこの事業を「公募型プロポーザル」として公告した。パンゲア1社だけが申し込み、4月1日、763万5760円で受注した[15]。
平川が教育長になるまではゼロだったパンゲアへの発注は、同年度までに少なくとも計6件、2600万円に上るが、森と平川が直接連絡を取り合う友人同士で、女性経営者が集うグループ「バラトゲの会」をともに作っていること、平川が自身の娘をパンゲアの事業であるサマースクールに参加させ、家族ぐるみの付き合いをしていることなどから、疑惑の目が向けられることとなった。前述の受注額がメールで示された「750万円程度」に極めて近かったこともあり、公正取引委員会OBの弁護士は「公募型プロポーザルの公告前に業者と価格交渉までしているのは、『予定価格その他の入札等に関する秘密を教示』したと認識されるため、官製談合防止法に違反する疑いが濃厚」と指摘した。県職員もメディアの取材に対し、「この事業も教育長の鶴の一声で昨年度から始まったものです。『パンゲアに来年もやらせて』との指示で今年度も実施することになった」と証言した[15]。
同年5月16日、県教委高校教育指導課の職員が、森と高崎に「工業高校女子生徒によるホームぺージ作成プロジェクト」に関するメールを送信した。その中で「実質190万円程度以内で本プロジェクトを実施する必要がある」と予算について述べ、かつ「5月下旬入札公告」「6月下旬入札・業者決定」などと細かなスケジュールも記した。業者決定に至る前の6月13日、平川と担当の部長、課長らで会議が開かれ、平川は「パンゲアの高崎さんに金額の算出をお願いしている」と発言した。パンゲアが「190万円では無理」と回答したため、県教委は公告自体を取り止め、予算を増額した上で来年度に実施することとなった。しかしこの事案についても、公正取引委員会OBの弁護士から「官製談合防止法に違反する疑いがある」との指摘されている[16]。
同年8月8日、平川は定例記者会見で「事業の準備段階で、事業者の意見を聞きながら検討したものだ」と述べ、違法性を否定した[17]。
同年12月6日、県教育委員会は、パンゲアに委託事業2件を発注した際に官製談合防止法や地方自治法違反があったとする、外部専門家の弁護士による調査結果を発表した。違法行為について、平川の直接的な関与は認めなかったが、背景に平川に自由に意見を言いにくい「組織風土」の問題があると指摘した[18][19]。同日、平川は記者会見を開き、「大変重く受け止めている。県民のみなさまに多大な心配と迷惑をおかけし、深くおわびする」と陳謝した[19]。
同年12月21日、市民団体が官製談合防止法違反の疑いで平川に対する告発状を広島地方検察庁に提出した[20][21]。
2023年2月21日、平川は自身の給与の30%を2カ月分(48万6千円)自主返納すると発表した。県教育委員会は同日、別の事業者との契約に関する内部調査の結果を公表した。法令違反はなかったと結論づけたが、「通常の問い合わせを超えていると疑われかねないやり取りがあった」などと言及しており、これを受けた措置である。平川は会見で「一連の問題はすべて私に責任がある」と陳謝した[22]。