光ってるやつら

15~20分くらい

ケイ→20w蛍光灯
デン→30w蛍光灯
ディー→60w蛍光灯
ワット数は本編にあんまり関係ないです。なんとなくです。

男女不問です。語尾や一人称はやりやすいように変えてください。アドリブは大いにしてください。ただしやり過ぎたり話の大筋を変えたりしつこすぎると収まりがつかなくて滑っちゃって冷えた空気が出来上がるので気をつけてね。
一応彼等は「物」なので「1人」とか「あの人」とかは使わないで「ひとつ」とか「部品」とかにしました(したはず)。でもやりにくかったらあの人とかにしちゃっていいです。


利用規約|わか (note.com)

ケイ:
デン:
ディー:


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(ケイが売り場に設置される)

デン:あれ?

ケイ:あっ

デン:確か同じ時期くらいに入荷してた…

ケイ:そうです!やっと店頭来られて!

デン:そっかー!!いや、え?にしても結構長かったよね?半年くらい前とかじゃない?

ケイ:あーなんか、、そうなんですよね。なかなか在庫室から出て来られなくって…

デン:あそこ湿気やばかったけど平気だった?

ケイ:いくつか知り合いが使い物にならなくなってたからヒヤヒヤものでしたよ。

デン:それアウトじゃない?店的にも俺ら製品的にも。

ケイ:アウトでした。僕でギリでしたね。

デン:うわあ怖…ならさっさと出られた俺はよかったのかなあ…

ディー:なに、在庫室の話?

デン:うわびっくりしたあ!ディーさんいきなりはやめてくださいよー!売れる前に寿命切れちまいますよ俺!

ディー:んなやわな製品じゃねえだろお前w  そちらさんは?

ケイ:あ、初めまして!!20w蛍光灯のケイです!!

ディー:おっす、今日出たばっかり?

ケイ:はい!よろしくお願いします!

ディー:いいねぇ元気で…俺は60wのディー、よろしくな!

ケイ:よろしくお願いします!やっぱ店頭っていいですね!キラキラして眩しくて!!

ディー:キラキラしてあたりめえだろ蛍光灯売り場なんだから。不良品もいるけど。

ケイ:いやそぅ…そうだけどそうじゃなくてね!?気持ち的な・・・

ディー:あ、お前白なんだな?

ケイ:へ?白?

ディー:いや、ここ最近うちの店は暖色系の蛍光灯が人気でよく売れてるから、新参者の白色が来るのが珍しいと思ってよ。

デン:あー確かにそうっすよね。現に俺とディーさんも暖色だし。

ケイ:うえー!なんか仲間はずれじゃないですかあ・・・。

ディー:いや、なんだかんだ白色も人気だよ。つーかあんま気にしてない人の方が多いだろうしな。

デン:暖色だからって室温が暖かくなるとかじゃないもんなあ…気分の問題だし。

ケイ:室温変わるとかだったら暖色使用してる家の夏場とか地獄ですもんね。

デン:そうそう。あそうだ、ディーさん、グローさんが今度話しながらひと光しねえかって

ディー:うっへー…あの部品から誘われたら断れねえけど緊張すんだよなあ…

ケイ:グローさんって?

デン:グロースタータのグローさん。あの人がいないとそもそも光れないってやつもいるから、すげえ部品だよ。めっちゃ優しいしな!

ディー:でもそんだけ大御所の部品と一緒に光るってなると緊張で寿命縮まりそうでなあ…

ケイ:はぁ………あれ?

デン:ん?

ケイ:スタータって点灯に必要なものであって、スタータ自体が光るわけではないですよね?

デン:うん。

ケイ:一緒に光るって…?

デン:あんま気にしちゃダメ

ケイ:あっ

ディー:あの部品的には自分がいる近くで俺が光ってれば、一緒に光ってる判定だから。

ケイ:それでいいんだ…

デン:俺らにはよくわからん感覚だよな…

ディー:そもそもの生まれと生活が違うからな。その辺の感覚の違いは仕方ないだろうよ。

デン:そっすねえ…あ、でも気をつけてくださいねディーさん。あの点灯管酔ってくると「俺がみんなを光らせてるんだぁ!!」って言い出すから。

ディー:型番ちげえっつうのなw

デン:そうなんすよでも聞いてくんないんすよ…まあだからっつって担当の電球光らせないとか、恩着せがましいとかではないけど…

ディー:いや光らせてるんだぁ!の時点で恩着せがましくね?

デン:いやなんか、「光らせてるんだぁ!!」のあとに
「でも俺が光らせるまでもなくお前たちはいつも輝いてる!!いいぞぉ!!」って続くんすよ。何が見えてんすかね?

ディー:電気で酔いすぎてわけわかんなくなってんじゃねえの?

ケイ:辛辣すぎません?

ディー:ま、ようはあれか!心理的な話か?

デン:でしょうねぇ。

ディー:でもそれなら気をつけることもなくない?

デン:今まで最高28回連続でその話したらしいっすよ

ディー:あ、気をつけよ。

デン:くれぐれも気をつけて…自己肯定感は上がるんすけどね…

ディー:うん…あ、ケイそうだ。気をつけるとも違うけど、覚悟しておいた方がいいことがある。

ケイ:あ、え?なんですか?

ディー:スイッチだ。

ケイ:へ?

デン:あーーーーーーーーーーーー!!!!

ケイ:へぇ!?

デン:やめてくださいよぉ…あれきついし恥ずいし思い出したくないんすよ…

ケイ:何が…?

ディー:俺らは蛍光灯売り場の見本として「お試しスイッチ」がついてるんだよ

ケイ:え…?あ、ほんとだ、ある。

ディー:つけっぱなしにしてる店も多いけど、うちの店はON OFFを客側が自由にできるんだわな。

ケイ:なるほど。で、それで何を覚悟…?

ディー:それはな……はっ!?

デン:うぁあ!?そんなあ!?

ケイ:え!?怖い!何!?なんですか!?

ディー:くっ、このタイミングで!!!

デン:ディーさん!!!このままじゃ!!!

ケイ:えわかんないわかんない!!展開についていけない!!

ディー:ケイ!!!!!!

ケイ:はい!!!?!???

ディー:……目に焼き付けておけ…

ケイ:はい……なにを…?

デン:ディーさんの姿だよ…!!!

ケイ:えっ、終わり?もうお別れ?このスピード感で出会いと別れがあるんですかここ?

デン:くっ…!!こんなのありかよ…!!

ケイ:どんなのありなの?!はっ……!あ…これは…いかにも…

デン:スイッチ押すのが好きそうな子供だろ…?

ケイ:デンさん、これまさか…

ディー:デン、ケイ、…あばよ……

(子供、とてつもない勢いでお試しスイッチをON OFFし始める)

ディー:どぅあっ!!?!??くっ!!!!んぬぁぁぁあぁぁ!!!???

デン:ディーさあぁぁぁぁああん!!!!!

ケイ:ディーさん!!!!!!うわあなんかすんごいバチバチしてる!!?

(ここディーのセリフ基本必死に。最後ぶりっこっぽくすると楽しいかもね)
ディー
:これがぁっ!!?ピョッ!!!俺がお前にっくっ!!?覚悟しておけって言ってたぁことだおっ!!!!!!!
    
ケイ:ああっ!!ディーさんが勘違いぶりっ子みたいな語尾に!!!

ディー:ヒュッヒュッーーーー!!!!!あっダメ!!良くない!!!!そろそろまずいそろそろまずい最初から良くなかったけどもう限界が近い割れそう割れるきついってばぁ!!!!

ケイ:誰かーーーー!!!ディーさんがおかしくなっちゃうよー!!

デン:お母さぁぁああぁん!!!!!!!お子さん止めてぇぇえええぇぇ!!!!!

ディー:あーもう!!!あーダメ!!!蛍光灯の端のほうぅから!?ぐあってなんか割れそうな予感が来てて怖い製造工場見える平和だった作られたばかりの景色がぁ!!???!?

デン:お母さぁぁああぁぁあん!!!!!!!!

ディー:割れちゃあぁぁぁああぁあ!!?!??

(母親が子供を見つけ、スイッチOFFにして去っていく)

ディー:ア……ア…

デン:うっ…くっ……

ケイ:あ……

ディー:くっ…ふぅ………耐え切った…

ケイ:耐え切れてないですよ。なんでその顔できるんですか?

デン:バカお前…

ディー:あれを経験したらそんなこと言えねえぞ…今ここで会話できてるのが奇跡みたいなもんだ…

ケイ:そ、そうなんですね…

デン:本体への負荷がありすぎてああなっちまうんだよ…俺も前にやられて大変なことになったんだ…

ケイ:具体的には…?

デン:やめろぉ!!!!!!!!!!!!

ケイ:ごめんなさぁい!!!!!!!!!!!

ディー:ともかく、ああいうことがたまにある。お前も心の準備はしておけ…

ケイ:はっ、はい…知らずにあれされてたら立ち直れなかったかもしれません。ありがとうございます…

ディー:スイッチがなけりゃこんなことに怯えなくてもいいんだがな…

デン:そういえば、聞いたことありますよ。スイッチ無しで切り替えができる魔法みたいな話を。

ディー:まっさかあこの科学の時代にぃ!?

ケイ:科学の結晶みたいなもんですからね我々

デン:いやそれが、あるんですよ!!なんかこう、ソフトか何かを起動させて、人間が指示をするとその通りに家電とかが動くんですよ!!

ディー:うっそだあもう令和だよぉ!?

ケイ:先進的になってきてますからね我々の界隈

デン:いやほんとに!!電気つけて!ってそのソフトに言うと、パッてつくんですよ!!

ディー:ええ…こわぁ…

ケイ:なんか蛍光灯からすると、薄ら寒い感覚がしてきますよね…スイッチで切り替えされるのとはまた違うような…

デン:完全に支配下に置かれて、自分の意思とは関係なしにつけたり消されたりするような…

ケイ:そう!!だって人間が「電気つけて」ってそのソフトに言ったら僕らがパッとつくわけでしょ!?嫌じゃないですか、操作されるの!!!

ディー:されてんじゃんいっつも。何言ってんだお前ら。

ケイ:いやそぅ…そうだけどそうじゃなくてね!?
ほら、自分を買って取り付けた本人に操作されるならまだしも、よく分からない仲良くもないどころか話したこともないやつに操作されるって腹立ちませんか!?

デン:それ!!!めっちゃわかる!!!!!ディーさんが勝手につけられてみな!?60wだから眩しくてしかたねえっすよ!!!

ディー:お前らだってそんな変わんねえよ!!!自分をなんだと思ってんだ!?

デン:蛍光灯っすよ!!!
てかほら、俺が30wでディーさん60wっすよ!!倍ですよ!?ケイなんて20wだから!!!嫌だなぁもう一緒にしないでくださいよぉ!眩しいなあ!!

ケイ:まあ明るさで言えばディーさんが1番明るいけど、勝手につかれて眩しくて困るのは自分達3つみんな同じではありますね。

ディー:なっ!?そうだよな!?

デン:そっかぁ…まぁ…す〜ぅおうだねえ…

ディー:納得できてないのやめろ。納得する要素しかねえだろ今のケイの話

デン:うっす…まとにかく!!そのなんだ?音声認識ソフトか何か?で操作されるのは嫌です!!!

ケイ:あっ、もしかしてあそこにいるあれですか?マリクシとかいう…
   (アレ〇サ的なあれです)

デン:てめぇかマリクシぃぃいい!!!!!

ディー:うるさ!?

ケイ:デンさん抑えて!?すんごい怯えてるから!!むこうも悪気があってやってるわけじゃないから!!というかなぜそこまでキレる!?

デン:お前には屈しねえからなぁ!!
   お前には屈しねえからなぁ!!!!

ケイ:屈しなくていいから落ち着いてくれません!?

ディー:何がお前をそうさせるんだ…

デン:自分の蛍光灯としてのプライドが受け付けないんですよ!!!

ディー:しょーもな

ケイ:蛍光灯やめれば?

デン:2つとも?

ディー:あ?おいあそこ見ろ。

ケイ:どれです?

ディー:あれ、あそこの客。自分のバッグに品物入れてるぞ

デン:は!?完全に黒じゃないっすか!!あ!また入れてる!!!信じらんねえあの野郎!!!

ケイ:どどどうします!?店員さん気がついてないですよ!?

ディー:どうしようもねえよ…俺たちは蛍光灯なんだから…

デン:マリクシぃぃ!!!俺たちを点滅させろぉ!!!

ケイ:えー!?さっきの発言どこいっちゃったあ!?操作されるの嫌なんじゃないんですか!?

デン:バカやろう!!店のためならそんなチンケなプライド捨てられるんだよ!!!

ディー:チンケって言っちゃったよこいつ

ケイ:自分で自分のプライドチンケって言う?

ディー:いや、そこがこいつの良いところなのかもしれない。

デン:マリクシぃ!!点滅させろぉ!!!

ケイ:いやデンさん。

デン:マリクシぃ!!

ケイ:デンさん無理です。マリクシは僕たちの声は感知しませんから。

デン:なんでだマリクシぃ!!!??

ケイ:デンさん自分をなんだと思ってるんですか?

デン:蛍光灯だよ!!!


蛍光灯だったわ…!!!!

ディー:アホかこいつ

デン:そうだっ…!!俺たち蛍光灯だ…!!ちきしょぉ!なんで蛍光灯の声は感知しねえんだよマリクシぃ!!!!!

ディー:アホだこいつ

ケイ:一生懸命なんですよ。あの人の良いところです。たぶん。

デン:くそ…止められないのか…

ディー:まあ、いいんじゃねえか?

ケイ:いいんですか!?まあ僕たちにはどうしようもないけど…

ディー:盗まれてたのドライヤーのフォーだろ?

ケイ:そうなんですか!?フォーさん大丈夫なのかな…

デン:フォーって、あのフォーっすよね?

ディー:うん。あのフォー。

デン:あぁ…お気の毒に…

ケイ:本当に…物を盗むような人に使われるなんて!

ディー:フォーのやつ、2回に1回は煙っぽい臭いしてたけどな。

ケイ:え

デン:1回火花散ってなかった?

ディー:散ってた。焦げてた。

ケイ:お気の毒に…

ディー:普通に買われてクレームくるよりはよかったんじゃねえかな。

デン:っすね…
ケイ:ですね…    (なんとなく被せ)

(間)

ケイ:ありゃ?もうそろそろ店終わる時間ですか?

ディー:おっ、もうそんな時間なのか

ケイ:なんか、在庫室では早く出たいなって思ってたけど、こっちはこっちで大変なことありますね…

デン:そりゃそうだよ…でも湿気のこと考えたらさ?

ケイ:ですね。使い物にならなくなる前に出て来られてよかったです本当に。

デン:錆びてガッサガサになるからね。

ケイ:もうなんかすごい、可哀想でした。ダメになった製品たち…「俺もうダメなんだ、使われることなく処分されるんだ」って言って涙流してて…

ディー:それ結露じゃね?湿気えぐすぎだろよくお前無事だったな。とはいえ店に出たっつっても、すぐ売れるわけでもねえから、使ってもらえるかは運だわ。

ケイ:僕も話聞いてたら涙を堪えられませんでした。。。せっかくここで出会ったのに一緒にお店に並べないんだなって。。。思ったら。。。!!

ディー:無事じゃねえ可能性出てきたな。俺たちの横でショートされるのやだよ?

デン:店の在庫管理どうなってんすかね。ってか隣でショートはシャレにならんっす。蛍光灯ってこういう時避難できないから嫌ですよね。

ケイ:はっ!そういえば、お試しスイッチつけられてサンプルみたいになってる僕たちって、売れることなくここで寿命が終わっちゃうんじゃないですか!?

ディー:あぁまあ、その辺は同一品が売れる時に先に店頭に出た順で身体入れ替えりゃいいから。

ケイ:何それ!?そんなことできます!?なんか無理矢理っていうか、えぇ!?

デン:意識を売れる製品の方と交換すんだよ。私たち中身が入れ替わってる!?ってやつよ。聞いたことあるだろ?

ケイ:いや何当たり前のように!!無理だよね!?

デン:お前自分をなんだと思ってんのよ

ケイ:蛍光灯ですよ!!!


いや蛍光灯でもおかしくねえ!!?

ディー:なんとでもならあ気にすんなって。とにかくもう消灯だから。俺たちも消えるぞ。

ケイ:はぁい…

デン:お疲れ様〜!

(翌日)

デン:……

ディー:……

ケイ:…なんか言ってくださいよ。

デン:いや…なんていうか…

ディー:………頑張れ

ケイ:うわぁぁぁ嫌だあぁぁあ!!!あっ、来てる来てる!!子供来てる!
目が爛々としてる!!あれ絶対イタズラする目だ!!!絶対だ!!勘弁してぇ!!ON OFF怖い!!!お母さぁん!!お子さんここだよぉー!!止めて!!早めに止めないと大変なことに!はっ!!
んぐっはぁぉああぁぁい!!!!!!!!!


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