頼るべきものがなくなってゆく年代

それにしても歳をとってくると親や先生 先輩や上司など「目上の人」に頼ることができにくくなる 自分がその立場に来てしまうこともあり さらに上の人たちも衰えてゆく なんとか自分でできているうちはよいが、手に余る場合はとほうにくれてしまう しかしやらなければならない 加齢によるそういった不安定感があるがために 若いうちはリベラルであった人が 高齢になってから 権威主義やナショナリズムに回帰してしまうことになるという可能性はありそうだ それは不安定感に対する代償行為であるのだが 身に迫ってくる喪失感に耐えるための自衛でもある 自分が自立できていない、一種の「甘え」とも言えるだろう 社会や生活、健康などの基盤が安定しているときはよいが それがゆらいだときに不安感が起こって 無条件に強いものを探し 甘えてしまうことが止められなくなる 足元が不安定でも甘えずに済んでいる と思ったら 実は他の基盤に頼っているだけだったりすると それが崩れたときに結局は同じ事になる でもなんらかの基盤がないと自信を持って生きることはむずかしい 何を基盤にするのかが問われるのかもしれない