参院選・東京選挙区:共産党と創価学会員の両方に投票できる珍しい状況
今回の参院選では、ちょっと面白いことになった。
野原ヨシマサという候補者が、山本太郎がひきいるれいわ新選組から立候補することになった。
この野原ヨシマサは、沖縄創価学会員である。
創価学会といえば公明党の支持母体であるが、野原は公明党の立ち位置に反対して、れいわ新選組から立候補している。その理由は上記の演説の内容をみてほしい。
ここでちょっと面白いと思ったのは、野原の立候補によって、共産党と創価学会員候補者の両者に投票することができるようになったことである。
そういう立ち位置が成り立つようになった、とも言える。
言うまでもなく公明党は、自民党と連立して長期にわたって政権を維持しており、与党自民党の補完勢力となっている。そして共産党は野党であり、公明党と共産党は以前から犬猿の仲であった。
したがって、比例区と選挙区の投票で、それぞれ共産党と公明党候補を選んで投票することは、あるいみナンセンスだった。野党と与党に同時に投票するということになるので、相殺されてしまうからである。
共産党支持者は公明党候補者にはまず投票しないものであり、創価学会員は公明党候補者や連立している自民党の候補者に投票するものであって、共産党や野党の候補者には投票しないという状況が続いていた。
しかし今回、野党から創価学会員が立候補しているので、野党共闘を支持する場合には、共産党と創価学会員候補者の両方に投票するという選択肢が成立することになった。これはちょっとめずらしいというか、面白い状況だと思う。
これは野党共闘が生み出したものと言えるが、山本太郎によるコーディネートも効果的なのだろう。
野原は沖縄出身であり、沖縄基地問題も立候補する動機の一つになっている。その点も、学会員であるという以上のアピールポイントになっているようだ。