現世を棄てることで開放される恋人たち 〜 「遊び」 増村保造 監督、1971年
ラピュタ阿佐ヶ谷「遊び」増村保造 監督、1971年。原作は野坂昭如「心中弁天島」だが未読である。同監督の「でんきくらげ」70年と同じく演劇的な演出がなされており、映画としては棒読みにもみえる。
関根恵子は監督の演出によって他のレモンセックスシリーズと印象が全く異なる。プロットは同じ野坂昭如の「火垂るの墓」に共通する骨組みをもっている。すなわち、絶望的な環境にある孤独な魂どうしが出会って、この世を棄てることで開放されるというものがたりである。
主人公たちの置かれた底辺家庭の