芸名改名
今年の7月、僕はピアノになりました。
芸名、"ナンジョウピアノ"に改名しました。
ということは、ピアノが得意なんですか⁇
いや、そんなことはない。
完全に語呂とニュアンスでつけた芸名なのだ。
しかし、ピアノとは全くの無縁というわけでもない。
小学校で2年間習ってはいたが、ろくに練習をしなかったので大した技術が身に付かなかった。
せいぜい楽譜を読めるようになったくらいである。
以前、僕はナンジョウコウタという片仮名本名で活動していた。
このナンジョウだけを残して、下の句に何か単語をつけるという芸名にしようと考えた。
何かしっくりくる単語はないのか?色々考えてみる。
ナンジョウ鉛筆削り
ナンジョウライオン
ナンジョウ苺
そんな中思いついたのが、"ナンジョウピアノ"だった。
今思えばナンジョウ鉛筆削りは二つの意味で尖りすぎていたと思う。
芸名をナンジョウピアノに変えてから、初めての仕事が歌ネタ王の一回戦となった。
当時、既に今のガラナーズを組んでいたのだがどうしても試したいネタがあり、今回はピンでの出場となった。
歌ネタ王の一回戦は動画審査ということで、大会に提出するための動画撮影会が設けられた。
その当日、会場へと赴いた僕は受付でエントリーシートを書いていた。
芸名:ナンジョウピアノ
すると、背後からスタッフさんが近づいてワクワクしたような声で話しかけてきた。
「もしかして、小さいピアノを使ってネタをする感じですか?」
芸名からしていかにもピアノを使った芸をやりそうだ。
ましてやここは歌ネタ王の撮影会。
しかし現実は違う。
これはただのニュアンスなのだ。
「いや、ごめんなさい。全然違うんです笑笑」
「あ、そうなんですね。ははは……」
スタッフさんのガッカリしたあの表情を、僕は一生忘れない。
その後僕は芸名のピアノとは無縁な、教習所リズムネタというものを披露して、芸名を含めて色々説明が必要になる結末を迎えることとなった。
あのスタッフさんも、こんな奴さっさと帰って欲しかったことだろう。
何のために我々は時間を取られているんだと。
芸名をつける前から想定できた事態。
まさか本当に起こることになるなんて。
この日に僕は決断した。
本気でピアノを練習しようと‼︎
そう決めてから、まず持ってさえいなかった電子ピアノを購入した。
練習用の楽譜や教本も買い揃えた。
そして毎日ピアノの練習を始めた。
芸名先行で始まった僕のピアノ特訓奮闘記。
この芸名に変えたことに後悔はしていない。
おかげで最近ピアノが楽しくなってきたから!
最近ハマっているおかあさんといっしょの楽譜本も購入して、暇さえあれば毎日練習している。
改名をしたことで、新しい特技を身につける良いきっかけになった。
自分でつけた芸名に振り回された僕、ピアノがネタに活かせるようになるのはまだまだ先のお話になりそうです。
皆さんこれからは、"ナンジョウピアノ"をよろしくお願いします。