退職理由はジェンダーギャップ
会社を辞めることにした。
日記を読み返したら、2021年から「辞めたい」と書いてあって笑った。コロナやら何やらで先延ばしにしてしまっていた。というのは言い訳。
今の会社は2社めで、10数年前に中途で入社した。
新卒で入社した会社がブラック気味だったので、転職活動にあたり「どこにいってもここよりはマシ」と思っていた。事実、今の職場はマシどころかとってもホワイトだ。しっかり休みがあって、残業したりしなくてもきちんと評価してもらえる。
けれど。
評価の枠や仕事の幅は、とても小さい。
しかもそれが「女性だから」。同じ部署に所属していても、男女で振られる仕事が違う。呼ばれる会議も違う。社員の平均年齢が高いうえに男性社員が多いのが要因ではあるのだけれど、正直、ここはなに時代なんだ…と思うことがよくあった。仕事の出来を褒めるのにわざわざ「主婦は大変だろうに頑張ってくれて…」とか言ってしまう男性が、本当にこの時代に生きていけるんだろうか。昭和の亡霊なんじゃないか。
お金のこと。時間のこと。子どもたちのこと。働き方のこと。将来のこと。
辞めたいと思い始めてから、色々なことを考えた。
転職するとき、「休みが取りやすく、子どもたちを育てる上で両立しやすい」という「条件」は魅力的に思えていたし、実際とてもありがたかった。けれど、条件だけで中身に興味のない仕事を、その「条件」が不要になっても続けていくことができるのか。ずっとサポート職で、ガラスどころじゃない、ありありと目の前に見えている「天井」を、受け入れることができるだろうか。
答えは「否」だった。
もうまあまあの年齢なのだけれど、まあまあの年齢だからこそ、自分が心地よいと思える環境に身を置きたいなあ、と思う。それは「厳しくない」とかそういうことではなくて。同じような年齢経歴の男性と女性が同時に入社してきたとき、女性にだけ「サポート業務」を引き継がなきゃいけない環境は、もう、きつい。給料も業務内容も性別で違うのに、求人では伏せられている。
会社や一緒に働いたひとたちにはもちろん、沢山の感謝があって、勤められてよかったなと思う部分も多い。だけどもう、無理かな。
そんなわけで、一旦の退職。ありがたいことに中小企業平均くらいの退職金がいただけるそうなので、焦らずに次の道を探そうと思う。