夫を見ていて、「なんで結婚したんだろう」と思うことが多い
私が出会ったときには「誰かの夫」だったからだろうと思う
当時の私はまだ若くて、結婚には程遠いところにいた
出会ったころの印象は、何となく気になる人で
いくつか、好きではなかったころにどんなところに立ってて、どんな様子だったとか、どんな香りがしたとか、覚えていることがある
それを振り替えると、彼はいつもスーツを着ていて、身だしなみのきれいな人だったことを思い出す
その後、結婚していたことを知るのだけど、
「ああ、だからいつもシャツが綺麗なのか」
と思った記憶があって、それは今でも変わらない
いつも、綺麗なシワのないシャツを着ていた
今になって知るけれど、あのシャツは奥さんがアイロンをかけていたのではなくて、彼自身がアイロンをかけていた
誰かの夫だったころの夫
そんなのうろ覚えでいいのに、私だけがしっかり覚えている
夫は、すっかり忘れてしまったのだろうけど
ずっとこのまま苛まれていくのかな
振り返ったときに、ふっと辛いな
私だけが立ち止まってしまうときがあって
過去に戻ろうとしまうことがある
過去に戻りたいというか、知りたくなって
知ってもきっと苦しいだけなのに
もう、何年も経ったんだよ
子どももいる
解放されたいんだけど、解放されない
時々とっても苦しくて、でもぶつけようがない
吐き出せるところがない