朝井リョウ『時をかけるゆとり』と、去年のインタビューの感想
先週の水曜日ぐらいから日曜まで、毎日ロキソニンを飲まないとやってられない程度に眼精疲労からくる頭痛が酷かったので、横になったまま出来る娯楽をと思い、朝井リョウさんのエッセイ『時をかけるゆとり』を読みました。
上記のエッセイは完全に笑かしに来てる感じで面白かったんですが、朝井リョウさんと言えば昔読んだNHKのインタビューがゆとり世代の豊かかつ不幸である理由をうまく言い表して興味深かったので紹介しておこうと思います。
多様性が許容されることは素晴らしい、というのは当然なんですが、多様性が許容されることによってそれまで存在していた価値観が崩壊し、自分自身の価値や意義を自分で見出さなくてはならない時代になったとも言えます。
私はゆとり世代の一つ上の世代なので、子供の価値観はある程度共有されていて、その共有された価値観から外れている自分を認識することによって自己を確立した(?)っぽいんですが、多様性が許容される社会で、子供の頃からナンバーワンじゃなくていい、みんなオンリーワンなんだよ。何に価値を持つのか、何が素晴らしいのかはあなた次第なんだよ。と言われていたら自己の確立にもっと苦労していたと思います。(現状も自分を持っていると自信を持って言えるわけでは無いですが。)
そういうゆとり世代の不幸をちょっと想像してみるにもこのインタビューは良いと思いますが、そもそも多様性によって価値観が崩壊した現在を生きる人は、自分の置かれた環境を把握するためにも一回読んどいたほうがいいインタビューだと思います。結婚、子供、車、一軒家みたいな幸せの形も崩壊しているわけですから。