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『東京トイボクシーズ』の感想

先週から急に「スト5」を始めたので、以前漫画家のたきりょうこさんがbackspace.fmにゲストで出演されたときに話題でて気になっていた『東京トイボクシーズ』を読んでみました。偶然にも最終巻は先週発売だったようで、そういった意味でも良いタイミングで読めました。

全体通して非常にさっぱりしていて面白かったです。eスポーツを通して成長していく登場人物たちには好感が持てましたし、格闘ゲームの解説もさすが実際にプレイされている人達が作った話だなと思えるものでした。

また、ゲーム依存症やネット炎上、モラハラ、DV、キャンセルカルチャーなんかの時事的な問題を取り上げながらも本編を邪魔しない程度に留められているというのも良かったです。

個人的には、ラスボス的な立ち位置の「NW!オンライン」の編集長がはなった、「メディアの仕事は大衆の皆様に石を投げてもいい場所を提供することだ」という台詞がツボでした。

このセリフ、最早カッコよくもあるクズ台詞なんですが、彼はこのセリフを言うことで自身がストーリーの中では「石を投げられる」(ヘイトを集める)役回りになるわけです。

そこで、メディアに踊らされて誰かを叩くなんて最低と思いつつも、「この編集長クズやなぁ」とヘイトを募らせた私は、自身もメディアに踊らされて誰かを叩く直前の状態、「ストーリーにのせられて彼を憎む気持ち」になっていたことに、はたと気付き唖然としたわけです。1巻や2巻で語られているように、人間ってストーリーにのせられやすいですからね。そういう意味で非常に印象に残りました。

このヘイトを集める宿命を背負わされた編集長を、主人公たちがどうやって、どういう形で倒すのかというのもこのストーリーの見どころなんじゃないかと思ったりします。

ジャンルを問わず、ゲーム好きには読んでもらいたいマンガです。今なら1~3巻がセール中らしいです。


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