科学の根っこと学際研究・異業種交流
石油会社も産油国や社会の要請にこたえるために、環境への配慮、環境保護の取り組みを積極的に行っています。エネルギーの安定供給だけを標榜するのでは、今や社会的に受容されないということです。
南国での石油会社の取り組みや貢献として、化石燃料だけではない再生可能エネルギーの模索、CCS/CCUSに代表されるカーボンニュートラルへの取り組み、海洋環境調査、環境保全・回復技術の導入など、さまざまな分野があります。
大学、研究機関、企業など、その道の専門家との共同研究や共同事業を通して、私たちもいろいろなことを学んできました。
再生可能エネルギーも、環境調査も、環境保全も、専門分野は違っても、科学技術の応用であることには違いがありません。もちろん個別の要素技術については知らないことも多く、専門家と議論するためには多くのことを学ばなければなりませんが、私が専門としてきた地質学や石油地質関係の研究方法は、これらの分野でも大いに役立つと実感しています。
特に私は、海洋環境調査や海洋環境保全のために海洋系の大学や南国環境庁との共同研究に参加させてもらいました。このような機会に参加できて、少しでも貢献できたのは、分野は違っても科学を学んできたからだと思います。科学を学んできてよかったと思います。
私が参加した海洋調査で得られたデータは、とても膨大なもので、その測定機器を開発した研究者も、それまでそこまでの大量のデータを処理して解析したことはありませんでした。いまだに完全には解析しきれていませんが、私は地下の地震探査などで行われる、データ処理・解析手法なども役に立つと思っています。
分野の違う専門家が集まる共同研究や、学際交流は、今後もどんどん新しい可能性を生み出していくのではないかと楽しみです。