高圧的な態度や喧嘩を売ってもなにもメリットはない
世の中には会議の場でも、電話でも、メールでもとにかく高圧的だったり相手をカチンとさせる言い方や書き方をする人がいるようです。南国の石油会社でもたまに見かけます。
特に今までそのような人と一緒に仕事をしたことが無い人にとっては、いきなりの不愛想で攻撃的な態度に相当面食らうようです。
南国の会社では日本の会社に比べて意見をはっきり言う文化があるとはいえ、基本的には相手をリスペクトすることを大切にする文化があります。私も気になっていたのでそのような態度をとりがちな一人に「わざわざ喧嘩を売っているように見えますね?」と直接聞いてみたことがあります。
すると彼の答えは「わざとそのような態度をとっています」とのことでした。どうも仕事を早く、効率よく進めるために、あるいは相手からのレスポンスを早めるために高圧的な態度で臨むのが効果的だと考えているようでした。
彼は彼の部署の同僚や上司からは非常に頼りにされているようでした。仕事もできるのかもしれませんが、他部署やコントラクターに強い態度がとれる、言いにくいことをはっきり言ってくれる、そういう人材として頼りにされていたようです。
これが彼の過去の成功体験から来たものなのか、誰かから受け継いだやり方なのかわかりませんが、私はなんという勘違いだろうと思います。
仕事は部署内、部署外、パートナー、コントラクター、誰であろうと信頼関係の上に成り立つものです。恫喝まがいの仕事の進め方は本人の技術的な能力に関わらずいずれ信頼を失います。
私は彼に「同じ成果を上げるにしても信頼関係を築きながら仕事をしていけば、いずれ助けてもらう時も来る」と言いましたが、彼には通じなかったようです。理由は分かりませんが、しばらくすると彼は会社を去っていきました。
他部署のおだやかな南国国民の同僚たちからはこの国のやり方にそぐわないと思われ、かなり反発を受けたようです。
特に弱い立場の人に対して高圧的な態度をとることと、真摯に意見をぶつけ合うことは全く次元の違う話です。
南国で私たち日本の会社が何十年にもわたってパートナーとして石油開発に携わってこられたのは、先輩たちが並々ならぬ努力で南国国民や同僚たちと信頼関係を築きながら真摯に意見をぶつけ合ってきたからだと思っています。
この関係を壊さぬように我々も努力していかなければなりません。
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