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海外旅行の自由化から60年

1945年に第二次世界大戦が終結してからしばらくは、海外旅行には業務や視察、留学などの特定の認可し得る目的がなければ行けませんでした。

一般の市民が職業上の理由や会社の都合ではなく、観光旅行を目的として自由に外国へ旅行できるようになったのは1964年になってからのことです。今から60年ほど前の東京オリンピックの年のことです。

株式会社JTB総合研究所のページには、日本人海外旅行動向に関する資料が掲載されています。

そこには1964年以来の年別日本人出国者数の推移のグラフも掲載されています。

株式会社JTB総合研究所 「アウトバウンド 日本人海外旅行動向」より

このグラフを見ると、1970年代、そして1980年代半ばから1990年代半ばにかけての2回、日本人出国者数が大きく伸びていることがわかります。

1960年代後半から1970年代初めにかけては、やっと100万人台にとどく程度で、それほど海外旅行がポピュラーではなかったことがわかります。

そのころ、私の父は仕事でネパールやシリアに数か月間の出張をしていました。海外旅行もまだまだポピュラーではなかった時代、出張していた国もなじみの薄い国で、小さかった私は、母に地球儀で父の滞在している国を教えてもらって、一生懸命覚えたことを思い出します。

羽田空港まで家族で父を送りに行ったり迎えに行ったりした記憶があります。空港では海外赴任する人を大勢の社員で見送る姿もふつうにみられたようです。

私が入社して初めて中東やイギリスに長期出張したのは、1980年代の後半、日本人出国者が500万人を超えたころです。

その頃には、海外でも日本人の団体観光客をよく目にしました。海外での日本人のマナーがいろいろと話題になっていました。当時UAEは事前にビザの取得が必須で、海外旅行がポピュラーになってきたとはいえ、ちょっと敷居が高い感じがしました。

1996年は私が初めてUAEに海外赴任した年です。そのころ日本人出国者は年間1500万人を超えました。ただしこの頃から出国者の伸びも鈍化しています。

日本の経済と関係があるのでしょうか?それとも単に海外を志向する出国者数が飽和してきただけなのでしょうか?

それにしても、2020年からの新型コロナウイルスの影響はものすごいですね。改めて私たちが初めて新型コロナウイルスのパンデミックに対峙して、旅行業界をはじめ多くの方々が大打撃を受けた当時のことを思い出します。

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