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コウモリとの出会い

埼玉県に住んでいた子供の頃はあまりコウモリを見かけた記憶がありません。

小学生の頃、友達が学校の裏庭かどこかでコウモリを捕まえて、みんなに見せてくれたのが初めて本物のコウモリをまじまじと見た記憶です。

小学校の林間学校で富士五湖の一つ西湖の近くにある西湖コウモリ穴に行った時には、事前の学習でたくさんのコウモリを見ることができると聞いていましたが、数匹見かけただけだったような気がします。夜行性のコウモリはどこかで静かに眠っていたのかもしれません。

ちなみに西湖コウモリ穴は火山噴火によって流れ出た溶岩流の表面の層が冷えるのと同時に、その中をまだ固まらずに流速が速かった内側の溶岩が流れ、外側のみが残ったことにより形成されたと考えられていて「溶岩洞穴」などとも呼ばれています。また溶岩洞穴の中には大量の火山ガスが抜けたあとにできた空洞や溶岩流に樹木などが取り込まれてできた空洞などもあるようです。西湖コウモリ穴は、夏には涼しく、冬には暖かくなるためコウモリの冬眠に最適な場所となっているそうです。

私がもっともコウモリを見かけたのは大学に入学して4年間住んでいた新潟市内でした。春から秋にかけての日が沈むころ、住んでいたアパートの周りにもひらひらと飛び回るコウモリの姿が多数みられました。

大きさは数センチ程度で、最初は小型の鳥か大きな虫かと思ったのですが、飛び方が特徴的で、急旋回したり、ヒラヒラ、ジグザグ素早く飛び回ったりしているので驚きました。新潟に長く住む友人に聞くと、こともなげに「あれはコウモリだよ」と教えてくれて、新潟にでは人とコウモリが共存しているのだと実感しました。

人の家屋などを住処にするアブラコウモリ、あるいはイエコウモリと呼ばれる種類のコウモリだそうで、実際には北海道の北部を除くほとんど全国に分布しているそうなので、私が大学生になるまで気が付かなかっただけなのかもしれません。

ただ、夕方ひらひら飛び交うコウモリを見て、なんだか埼玉を遠く離れてしまったというちょっと寂しい感覚に襲われたのは確かです。


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