濡れた葉っぱや蛇口から本当にラジオは聞こえたのか?
私の母から、昔、両親が結婚したばかりの頃、NHKの川口送信所のすぐ近くに住んでいたと聞いたことがあります。
調べてみると川口市にはかつて「NHK川口ラジオ放送所」というものがあったそうです。放送所は老朽化が進み、埼玉県久喜市に移転したそうで、現在、その跡地は映像制作を目的とした施設「SKIPシティ」として再開発されているようです。
川口ラジオ放送所の詳しい出力の情報はわかりませんでしたが、『ニコニコ大百科』「NHK川口ラジオ放送所」の年表では、1937年にこの地に移転してきたときには出力150 KW だったと記載されていますので、両親が住んでいたころには出力 150 KW 以上で送信していたのではないかと思います。
さて、母の話ですが、送信所の近くに住んでいたとき、たまに近所の雨に濡れた葉っぱや台所の水道の蛇口からラジオが聞こえたことがあるというのです。
本当にそのようなことがあるのでしょうか?
何かの物理的な振動が共鳴したということは無きにしもあらずという気もしますが、ラジオと認識できるほどの音声が聞こえたというのですから、濡れた葉っぱや蛇口が高出力の電磁波を受信して、葉っぱや蛇口の一部に電流が流れ、スピーカーと同じような原理で音を出したということでしょうか?
私自身は見ていませんが、秋田県男鹿市福川起上ケの送信所近くのガードレールが2019年7月3日放送『世界の何だコレミステリー』で「しゃべるガードレール」として紹介されたということですので、あながちありえない話ではないのかもしれません。
アマチュア無線では近所のラジオやテレビに混信を与えないように十分気を付ける必要がありますが、高出力のラジオ送信所の傍では、ラジオでもテレビでもない、電化製品ですらないものが鳴り出すのだとしたら、ちょっとびっくりしてしまいそうです。
いつかどこかで体験してみたい気もします。