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油層モデリングにおける「標準化」と「ベストプラクティス」

20年ぐらい前から私のまわりでは「標準化」とか「ベストプラクティス」とかいう言葉をよく耳にするようになりました。

例えば、コアサンプルの取り扱い方、測定方法、データのQCなどの手法やプロセスを「標準化」するメリットは非常に大きかったと思います。どこでだれがサンプルを測定しても同様の結果が得られることは非常に重要です。

「標準化」とちょっと似たような使い方をされる言葉に「ベストプラクティス」というものがあります。例えば油層モデルを作る際に、どのようなデータを使ってどのような手法でどうやってモデルを作るか、その最も効率的な手法、ベストと考えられる手法を「ベストプラクティス」と呼んで、いろいろな油田や油層で適用しようとする試みがあります。

もちろん、油層モデリングにおける「ベストプラクティス」は絶対的なものではなく、様々な条件下でのベストな選択肢がすべて示されているわけでもありません。「ベストプラクティス」はガイドになるとしても、個々の油田や油層で盲目的に適用できるものではないし、改善し続けるべきものであると思います。

これはおそらく「ベストプラクティス」をまとめた専門家も一番わかっていることだと思うのですが、怖いのは、経験の少ない技術者が、意味も分からず「ベストプラクティス」を信じて、盲目的にスタディを行うことです。

油層の地質や特徴、モデルの目的、利用可能なデータの質や量など、様々な条件でモデル作成の手法は選択の余地があるはずなのに、「ベストプラクティス」を盲目的に適用してしまうと、肝心な油層特有のキャラクターを反映していないモデルを作ってしまう可能性もあります。

要は「ベストプラクティス」の考え方、運用の仕方次第なのですが、どうしてこの手法がベストなのか、ほかに良い方法はないのか、油層ごとに考えることは非常に大切だと思います。

油層モデリングは「油層スタディ」とも呼ばれ、結局研究の一つなのです。「ベストプラクティス」を参考にするとしても、個別にベストな方法を模索する必要があると考えます。

データをいろいろいじって、解析して、データの意味を理解して、油層モデルを作るのは大変根気のいる仕事です。それを放棄しないような技術者を育てるのも我々先輩技術者の役割です。

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