オナガ対カラス
子供の頃住んでいた埼玉県鶴ヶ島町 (現在の鶴ヶ島市) の実家の付近の林は、カラスのテリトリーとオナガのテリトリーに分かれていたようです。
実家を取り囲む林はオナガのテリトリーだったようです。
オナガは頭が黒色で、首回りが白っぽく、背中が灰色、そして翼から尾にかけて薄い青みがかった灰色をしています。大きさは鳩とカラスの間ぐらいでしょうか。尾が長いので結構大きいイメージがあります。
林の中で時々巣から落ちたヒナを見かけたり、家のガラスに激突してきたり、なにかと人騒がせな鳥でした。よく聞く鳴き声は「ギューイ、ギューイ」と見かけとは違い、あまりきれいな鳴き声には感じませんでしたが、どうもこの鳴き声は警戒している時の声だそうで、優しく可愛く鳴くこともあるそうです。
そして、実家の横に広がっていた田んぼの向こう側の林は、カラスのテリトリーだったようです。
たまに家の近くの林にカラスが迷い込むと、オナガの集団が空中でカラスを取り囲んでギャアギャアと追い立てていました。
一方、田んぼの向こうの林では、迷い込んだオナガがカラスに取り囲まれているのを目撃したことがあります。
カラスもオナガもカラス科の鳥ということで、性格が似ているのでしょうか?学習能力も高いし、警戒心も強いし、集団行動もとるようです。子育ての頃には、人間である私たちはカラスからもオナガからも警戒されて、なかなかスリリングでした。
高校を卒業して鶴ヶ島を離れてから、カラスはよく見かけるのですが、あまりオナガを見かけることは無くなりました。
ウィキペディアによると、日本ではオナガの分布域がかなり狭まってきているようで、その影響もあるのでしょうか?
オナガ対カラスのバトルはなかなか壮絶で、子供心にも生き物の世界の厳しさを感じるものでした。