コンタクトレンズとの長い付き合い
私は中学生の頃からハードコンタクトレンズ (ハードコンタクト) を使っています。
当時からソフトコンタクトレンズもありましたが、消毒のために毎日煮沸したりする必要があったため、面倒くさがりの私は煮沸の必要のないハードコンタクトを選びました。以来、今までずっとハードコンタクトを使用しています。
現在のハードコンタクトはほとんど酸素透過性レンズですが、当時のハードコンタクトは酸素透過性レンズではありませんでした。
角膜には血管が無いため血液による酸素の供給がありません。したがって、角膜は角膜表面から酸素の供給を受けています。コンタクトレンズを装着すると角膜がレンズによって大気から遮断されることにより、角膜上の酸素分圧の低下が起こります。
とくに酸素透過性の高くないハードコンタクトを付つけるとその影響は大きくなります。
そのため、酸素透過性の高くない当時のハードコンタクトレンズを連続して装着できるのは12時間程度が限界でした。うっかり長くつけすぎると、しばらく目の激痛で苦しめられることになります。はじめて長くつけすぎたときはのたうち回るほどの目の激痛で失明するのではないかと思ったほどです。
何度かコンタクトのつけすぎで激痛を経験した後、夜早めにコンタクトを外すのが習慣化しました。大学に入ってお酒を飲むようになっても、社会人になってどんなに酔っぱらっても、とにかくコンタクトレンズを外すようになっていました。痛みを伴う学習の効果でしょうか?
しかしコンタクトのつけすぎによる激痛以外にも私はずいぶんとコンタクトレンズによる失敗をやらかしてきました。
コンタクト洗浄中に流しに流してしまったことは幾度となくあります。
高校の体育の時間には、顔にバスケットボールがかすった瞬間コンタクトレンズが外れてしまい、みんなに探してもらったこともありました。コンタクトは見つかりましたが、コンタクトは踏まれてぺちゃんこに変形し、白く濁ってしまいました。しかし、当時コンタクトは高額で、親に買ってもらっていたため、ショックと申し訳ない思いで気が動転していたため、そのコンタクトを洗って無理やり目に入れようとしたところ、友達から全力で止められました。
山で一人で地質調査中に、顔に枝があたってコンタクトを片方沢の中に落としたこともあります。やむを得ず途中で調査をきりあげ、極度のガチャ目状態で車を走らせ、街まで戻ってコンタクトを作りに行きました。
ハードコンタクトレンズは下の写真のようなケースの蓋の内側についた爪にコンタクトを挟んで、左右間違えないように保存液の入ったケーズの中で保存します。
あわてて爪にコンタクトをしっかり挟まないままケースの蓋を閉めて、蓋とケースの間にレンズを挟んでしまい、レンズをねじりつぶしたこともあります。
とにかく、コンタクトの紛失や変形の事故は、金額的負担も心に与えるダメージも大きく、すごく落ち込みます。
1990年代後半ごろから、酸素透過性の優れたハードコンタクトが比較的安く手に入るようになりました。コンタクトを入れたままうっかり寝てしまってもダメージを受けなくなり、コンタクト生活習慣も大きく変わりました。
徹夜の続く石油開発の現場でもコンタクトを入れたままで仕事が続けられるようになったので、大変助かりました。
ただ、紛失・変形のダメージは相変わらず大きいため、今も気を付けています。
なんだかんだでハードコンタクトとのお付き合いも相当長くなりました。目にゴミが入った時の痛みやゴロゴロ感でいらいらすることもありますが、それも含めて「相棒」のように感じます。