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冬休みの宿題で漢詩らしきものを詠む

忘れもしない高校一年生の冬休み。担任だった漢文の先生から冬休みの宿題に漢詩を作るように言い渡されました。

今ではすっかり忘れてしまいましたが、漢詩は絶句、律詩などの型や、押韻、平仄、対句などのルールが決まっていて、これは難儀な宿題をいただいたと、途方にくれました。

やはりよく覚えていないのですが、どのような漢詩の型でも良いとのことでしたので、比較的ルールがゆるいと教えられた、古詩を作ることにしました。

それまで漢詩などというものを詠んだことがなかったので、どこからどう手を付ければよいのか分かりません。

まずは、詠みたい情景や気持ちを日本語の話し言葉で書いてみます。冬休みなので、正月の詩を、元日の朝の研ぎ澄まされたような空気感と、新しい年を迎えた決意を書いてみようと考えました。

漢詩の型は五言古詩を目指します。古詩は平仄の配置は問わず、句数は偶数で、押韻は必要だとか習いましたが、とにかく絶句や律詩などよりは決まりごとが少ない印象です。

けれどもどの漢字を使えば正しく韻を踏んだことになるのかすらよくわかりません (すいません、勉強不足です)。とりあえず漢和辞典を引きながら、なんとなくかっこよく、なんとなく使えそうな漢字を探していくことにしました。

なんだか漢詩を詠むというよりも、パズルを解く、あるいは、ジグソーパズルを組み上げるような様相を呈してきました。

冬休みの長い時間をかけてやっと一つ五言古詩らしきものを組み上げました。冬休みが終わって何とか担任の先生に提出することができました。

あまりに長い時間をかけて取り組んだので、今でもこの詩を思い出すことができます(大体ですけれど)。

心残りなのは、この詩に対する先生の評価を聞き忘れたことです。あるいはあまりに酷評で、私の記憶から消し去ったのか。

今となっては五言古詩と言えるものであったのかもわかりませんが、記憶に残る冬休みの宿題の成果を、恥ずかしながら記しておきます。

ルールに合っているかはともかく、理系の私にとっては珍しく記憶にはっきり残った文系の宿題の成果物です。恥ずかしいので今さら添削は遠慮しておきます。

私は先生にこんなふうに読んでもらおうと思っていました。

朝暘郷里を照らし、(ちょうよう きょうりを てらし、)
鶏唱寒天に響く。(けいしょう かんてんに ひびく。)
霜野銀箔の如く、(そうや ぎんぱくの ごとく、)
蒼天碧淵の如し。(そうてん せいたんの ごとし。)
寒気に我が息白く、(かんきに わがいき しろく、)
万事改新の旦。(ばんじ かいしんの たん。)

お粗末様でした。

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