前兆現象のある片頭痛に悩まされる
私は高校生の頃から時々前兆現象のある片頭痛に悩まされています。
今でこそ、目の片隅にギラギラした点が見え始め、それが視界の中に広がっていき、やがて視野の半分以上をギラギラした歯車みたいなものが覆い隠す片頭痛の前兆現象を「閃輝暗点 (せんきあんてん)」と呼ぶことを知っていますが、高校の頃、初めて経験したときは「もうだめだ」と思ったものです。
授業中だろうが、休み時間だろうが突然起こり、当時はこの前兆現象とともに吐き気も感じていました。耐えきれず保健室でダウンしていたこともあります。
そしてこの前兆現象が収まるころ、頭痛が始まるのです。起こる頻度としては1~2か月に一度程度でしょうか。
「閃輝暗点」という言葉自体は比較的最近知りました。ウィキペディアの「閃輝暗点」のページに、まさに私が見ているものとそっくりな動画が出ていて、「ああ、同じ景色を見ている人がいるんだ」と、どこかで私と同様に片頭痛とその前兆現象と戦う同志が存在していることに勇気づけられました。それにしても「閃輝暗点」、みごとなネーミングだと思います。
高校の頃、何度かこの前兆現象とその後に起こる頭痛を経験して、この現象は頭痛の前触れであることに気がつきました。
頭痛が起こった後に市販の頭痛薬を飲んでもほとんど効果が出ないので、試しに前兆現象を感じたとたんに頭痛薬を飲んでみました。すると、何となく頭はぼーっとするものの、耐えられないような痛みは感じなくて済むことがわかりました。
その後何度もトライ・アンド・エラーを繰り返して (単に飲むタイミングを逃したりしながら)、前兆現象が起こっている間に頭痛薬を飲めば痛みをだいぶ回避できることがわかってきました。
頭痛薬を飲むタイミングを逃すと、一日か二日程度頭痛と付き合わされます。
年齢を重ねるにつれ、前兆現象中に吐き気を感じることもなくなりました。ただ、前兆現象が始まると視野が邪魔され、なんにもやる気が無くなります。ですので、周りの人にはこういうことがたまに起こることを事前に説明しておいて、実際に前兆現象が始まると「前兆現象が始まりました。しばらく使い物になりません」と宣言させてもらっています。
私の場合、片頭痛は、疲れているとか、寝不足とか、ストレスとか、そういうこととはほとんど関係なく起こるようです。リラックスしている時にも起こります。車の運転中に起こることもあります。その場合には、車を一旦停めて、手持ちの頭痛薬があればすぐ飲んで、無い場合にも、前兆現象が収まるまでは車の運転はあきらめます。
若いころ、定期健康診断の際に、この前兆現象を伴う片頭痛について先生に相談したことがあります。先生は「若いころに比較的起こる人が多い。歳をとれば起こらなくなるかも」とおっしゃっていましたが、最近も起こります。というか、実はこの文章を書いている今も起こっています。
片頭痛とも長い付き合いとなり、対処の仕方もだいぶわかりました。閃輝暗点にも困ったものですが、今となってはなんとなく親しみもあります。いまだに起こる片頭痛は、先生の言葉を信じて「まだ若い印」と思うことにしています。