雑音の中で人の話が聞き取りにくい
かなり昔から、私は、雑踏の中で、あるいは多くの人がおしゃべりしてざわめく飲み屋の中で、目の前や隣にいる人の話しがよく聞き取れないと感じることがありました。
私のまわりの人や、私を挟んで話している人と反対側に座っている人でも話を聞いてうなずいているのに、なぜか私にはどうしても話が聞き取れないということがよくありました。
はじめは、私は特定の周波数が聞き取りにくいのではないかと疑いました。しかし、毎年受けている健康診断での聴力検査はいつも正常で、特に異常を指摘されたことはありません。
私が受けてきた健康診断の聴力検査では、音圧 (音の大きさ) と周波数を変えた様々な音がいろいろなタイミングでヘッドホンを通じて流れてきて、音が聞こえたらボタンを押すシステムでした。ですので、特定の周波数だけが聞こえなければ、異常はわかりそうなものですが、そのような異常を指摘されたことはありませんでした。
今、私が疑っているのは、普通の人であれば聞き分けられる似かよった周波数の音を、私の聴覚システムではうまく分離できないときがあるのではないかと言うことです。あるいは、ある規則に則った別の周波数の音がうまく分離できないのではないかということです。
特に大勢の人の話し声が雑音として聞こえてくるような場所で、近くにいる人の会話が聞き取れないことがあることから、雑音と会話の周波数が関係しているように感じています。
いずれこの自分自身の「雑音の中で聞き取りにくくなる」メカニズムを解明してみたいと思っています。
そんなことを考えていたら、世の中には聴覚情報処理障害 (Auditory Processing Disorder: APD) という症状があることを知りました。説明を読むと私の場合と似ているなと感じるところもありますが、なんとなく私の場合とは違うと感じるところもあります。
物理的に音を拾う仕組みと、音を認識する神経の働きと、人間の機能は複雑で不思議ですね。
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