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トラベラーズチェック
かつて海外に行くときには現金を持ち歩くよりも安全ということで、トラベラーズチェック (T/C:旅行小切手) を銀行の窓口で購入して持っていくことを勧められました。
私も会社に入り初めての海外渡航の時にはクレジットカードも作りましたが、お守り代わりのようにトラベラーズチェックを購入して持っていきました。
海外ではトラベラーズチェックを現地の通貨に両替も出来ましたし、お店によってはトラベラーズチェックでの支払いも可能でした。
トラベラーズチェックを購入するとまずすべての小切手の所有者署名欄にサインします。そして使用時には相手の目の前でもう一度サインして2つののサインが一致すると効力を発するという仕組みです。
両替や買い物に使うなら少額の額面の小切手をたくさん用意した方が良いと聞き、銀行で少額のトラベラーズチェックの束を受け取り、最初に全小切手に署名するのがたいへんだった思い出があります。所有者署名をしておいて番号などを控えておけば、盗難や紛失したときにも所定の手続きで再発行してもらえるということでした。
私は、赴任時も含め、最初に買ったトラベラーズチェックを律儀に毎回海外渡航のたびに持っていきました。しかしほとんどクレジットカードと現金で事足りてしまい、結局2014年に日本での販売が終了するまでほとんど使うことはなく所持し続けていたのです。
2014年が過ぎたころ、もう使うこともないだろうということで、すべての小切手を現金に換えることにしました。やはりすべての小切手にサインをしなければならず、しかも何十年も前の署名と同じに見える署名ができるかどうか緊張しました。名残惜しい気持ちもわいてきました。なにしろ30年近くも私の海外渡航についてきてくれたのですから。
海外に行くたびに、あるいは赴任中もずっと私のカバンの片隅で出番を待ち続けながら、最後の最後まで買い物や両替で使われることのなかったトラベラーズチェックたち。カバンの片隅で私にそっと安心感を与え続けてくれたトラベラーズチェックとのお別れはちょっと寂しくもありました。。