核兵器禁止条約第2回締約国会議
ニューヨークの国連本部で、核兵器禁止条約第2回締約国会議が開かれています。アメリカの核の傘の下にあるドイツやオーストラリアなどがオブザーバーとして参加しているものの、日本政府はいまだにオブザーバーとしても参加していません。
日本が参加する核拡散防止条約 (NPT) は核保有国の固定化を目指していますが、NPT で核保有を認められているのはアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国だけで、実際には、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮などが核兵器を保有しており、アメリカの核が配備されている「核共有国」にはドイツ、イタリア、オランダ、ベルギーなどがあります。
核拡散防止条約 (NPT)に参加するロシアは、ウクライナ侵攻において核による恫喝を繰り返しています。NPTのたてまえは核兵器の廃絶だと言っているようですが、本当に機能しているのか、非常に疑問です。
5年に一度開かれるNPT加盟国による再検討会議では、核廃絶を「究極的な目標」として遠くへ追いやった上に、直近の2022年の会議では最終文章の採択すらできていません。
一方で、核兵器禁止条約に参加している国々は、核兵器や核起爆装置の開発・実験・生産・製造・取得・専有・貯蔵の禁止をコミットしています。これほど、NPTの趣旨にも合致する強力なコミットメントをしている国々を、日本がリスペクトしない理由は一体何なのでしょうか?
日本は戦争で原爆を使われた世界唯一の国です。その特別な立場から言っても、たとえ核保有国のアメリカの同盟国だと言っても、核兵器禁止条約やその加盟国に対して特別なリスペクトを表明してもなんら不自然なことではないはずです。それすらできない日本政府が本当にはずかしく感じます。
核が無ければ自分の国を守れないという幻想から脱却し、核兵器からの決別を勇気をもって自ら宣言した核禁止条約に参加する国々を私は尊敬します。