「子供の科学」と紙飛行機
「子供の科学」という誠文堂新光社が出版している子供向けの科学雑誌が好きでした。
調べるとなんと1924年 (大正13年) 創刊だそうで、私の両親が生まれるよりもはるか昔から現在に至るまで刊行が続く、歴史のある雑誌でした。ラジコン、鉄道模型、アマチュア無線など、当時の私にはとても手が出ない、あこがれのアイテムに関する記事や広告にワクワクしたものです。
そんな記事に混ざって、日本の紙飛行機界の草分けの一人である二宮康明さんという方の、切り抜いて作る紙飛行機の設計図の折込付録が大好きでした。
正しく作って調整すれば1分以上飛び続ける性能を持っているということで、厚紙を切り抜いて張り合わせながら、毎号どんな形のどんなすごい性能の紙飛行機が付録についてくるのか楽しみでした。特に洗練された形の競技用機は、どれも本当にかっこいいのです。
当時は小学校でも紙飛行機大会などが開かれたりして、子供たちの間でもブームだったのだと思います。
いまは「子供の科学」での連載は終わってしまったそうですが、誠文堂新光社から二宮康明さんの紙飛行機集が発売されているようです。二宮さんは工学博士で、自家用飛行機のパイロットでもあるそうです。航空工学に裏打ちされた紙飛行機の設計図が、何となく「本物」を子供ながらに感じていたのだと思います。
竹ひごで作った翼のフレームに和紙をはって作るゴム動力のプロペラ飛行機も、子供のころ夢中になって作って飛ばしていました。この話はまたいつか別にしなきゃいけませんね。
今考えると、外には紙飛行機や模型飛行機を飛ばすような場所がたくさんあったのです。テレビゲームなどもなく、外で遊ぶのが当たり前だった時代。紙飛行機も子供たちの真剣な遊びアイテムでした。