お坊さん①「初めの第一歩」
自己紹介にも書きましたが、僕は小さい頃は全くお坊さんになるなんて思ってもいませんでした。
どっちかというと、教師一家だったので、小さい頃は先生になることの方を意識して、そして、そこから逃れようとばかり考えていました。
盆や彼岸も父親についてお寺には行っていたのですが、あくまでもおじぃちゃんのお家でしかなかったのでした。
大学受験は現役の時は失敗して1浪するのですが、その時すでに祖父は入退院を繰り返していたように思います。
そして晴れて大学に合格しその春の彼岸に初めて祖父からお経を習いました。
すでに祖父は体調もあまりよくなく、僕の横でしゃがんでお経を唱えていました。
そして、大学の入学式の数日前に亡くなりました。
そんなこんなで1人で入学式に行きました。
お寺は宗教法人のものなので、住職が亡くなるとすぐに次の住職を立てないといけません。
それは、祖父の義理の兄弟のおじさんが兼務住職という形で就任してくれて、祖母や尼僧さんはそのままお寺に住み続けることが出来ました。
父親は当時は公務員をしていて、その職を辞してこれからお坊さんになるような感じではありませんでした。
当時は僕は生意気な人間で、誰かに指図をされるということが本当に嫌でした。
自分の気持ちなんてとっくの昔にどこかに押し込んでしまっていた僕は、「僕はお寺を継ぐというのが最適解」と導き出してしまって、それをみんなの前で宣言してしまったのです。