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【UFO】Close encounter 宇宙人の声

最初に気付いたのは小学3年生頃だろうか。 変な飛び方をする飛行機を時々見ていた。 学校の帰り道や、公園で遊んでいる時、ふと空を見ると、白っぽいドットがいる。 ドットはすーっと移動したり、空中で停止もする。おはじきを弾くみたいに少しずつ進む事もあった。 「なんか変なの」と一瞬思うが、遊びや友達とのお喋りに戻って、すぐに忘れてしまう。 その「変な飛行機」について特に誰にも話さなかった。わざわざ人に言うほどの事じゃないと思っていた。 頭の悪い子供だったので、それ以上深く考える事な

    • 黒猫のHanaちゃん #2

      猫に恋い焦がれ過ぎた結果、 脳内で生成した「エアねこ」をかわいがるという(どうかしている)技で自分を誤魔化してきたが、思いも寄らず本物の猫のお世話をする事になり嬉しかった。 うちで生活をし始めた黒猫Hanaちゃん。 餌もよく食べ、まるでずっとここに住んでいたかのように、すっかり寛いでいる。 座布団の上で伸びをして起き上がった時、Hanaちゃんの体からパラパラっと白い粒が紺色の布地にたくさん落ちた。 蚤の卵。 毛を掻き分けて見たら蚤だらけだった。 黒い毛色のせいで、気が付か

      • 黒猫のHanaちゃん #1

        数年前、とある事情で黒猫を3カ月程預かりお世話した。 元々大の猫好きなのに「飼う」という決断が出来ずにいた時だった。 まわりからも、そんなに猫が好きなら飼いなよ、と言われ続けていたが、 はたして自分は一生涯、猫を満足させて幸せに出来るのか、と考えると責任の重さにびびって、なかなか結婚を決断出来ない男みたいに腰が引けていた。 預かった黒猫はHanaちゃんという。 11歳のシニア猫で、丸顔がかわいい優しい猫。 出会いはある8月の朝。 掃き出し窓を開けた時にどこからか 「きゃっ

        • ネパール怪談 #4

          レカとアルジュンの話 レカとアルジュンは地元の大学で出逢い大恋愛の末、駈け落ち婚を果たした。 二人はジャート(カースト)が異なるゆえに、双方の親族が結婚を許さなかったからだ。 アルジュンは高校教員、レカは小学校教員として、小さな借家で新生活を始めた。 やがてレカの弟妹が訪るようになり、彼らの助けでレカの両親は二人の結婚を受け入れ、実家に顔を出せるようになった。 しかし、アルジュンの親族は依然として二人の結婚を認める気配はなかった。 ある日のこと、レカは編みかけのショール

        【UFO】Close encounter 宇宙人の声

          ネパール怪談 #3

          ラムチャンドラの話 ラムチャンドラが学生だった頃の話。 友人の家に遊びに行った帰りのこと。 日が落ちて外は既に暗くなっていた。  当時フェワ湖沿いの道は舗装もされていず街灯も無かった。 昼間はツーリストで賑わうレイクサイドの通りも、しんとして真っ暗だ。 「ああ、しまった。明るいうちに帰ればよかった」  とラムチャンドラは後悔した。 ネパリーは概して視力が良い。 懐中電灯など無くても、真っ暗な道を歩くのに不便は無かったが、ラムチャンドラが恐れているのは幽霊やお化けとの遭遇だ

          ネパール怪談 #3

          ネパール怪談 #2

          アルン・バハドゥールの話 アルン・バハドゥールはグルカ兵退役後、ネパール中部の町ポカラに妻と大学生の長女を頭に5人の子供達と暮らしていた。 退役後はダムの管理局に務め、趣味のガーデニングを楽しんでいる。 ある晩、ベッドに入り寝ようとしていると、天井でガラガラ、バリバリと物凄い音がした。 何事かと外に出てみると大量の石ころが家の周りに落ちていた。 これはおかしいぞ。一体どういう事だ?と考えながら怖がる子供達をなだめて眠りについた。 次の日の晩の事。 家の前に一匹の猫がやっ

          ネパール怪談 #2

          ネパール怪談 #1

          マヤ・デヴィの話  ヴィクラムの祖母マヤ・デヴィがガウン(田舎)で暮らしていた娘時代の話し。 ある日、マヤ・デヴィは村の娘達数人と、家畜にやる草を刈りに出かけた。  「ドコ」と呼ばれる大きな背負い籠の紐を頭に掛け、草刈り釜を手に山の斜面に拡がる草原へ向かった。  腰の高さまである緑の中、楽しくお喋りしながら草を刈っていると、一人見知らぬ娘がいることに気付いた。マヤ・デヴィは 「あなたはどこから来たの?村は近くなの?」と、その見知らぬ娘に聞いたが、無言で草を刈り続けるばかり

          ネパール怪談 #1