半分ほど読み終えたのですが、非常に切ないです
《エクス・リブリス》の『アイダホ』を読んでいます、ちょうど半分を超えて、3分の1くらいまで読み進んだところです。読了まであと一息です。
主人公夫婦の夫の方がウエイドという名前なのですが、彼が若年性の痴呆を煩っています。ここへ来て症状が進行している様が描かれます。55歳だというのに、かなり進んでいます。
55歳って、今のあたしと同い年なんですよね。幸いにして、今のあたしには、そんな症状はまったくありませんが、あたしの亡父は思い返すと50を過ぎたころから脳梗塞の症状が少しずつ出て来て、50代半ばで勤め先を退職することになり、その後は自宅療養とデイサービス、ショートステイや入院などを繰り返しながら徐々に症状が進み、62歳で亡くなりました。
本書を読んでいると、そんな父を思い出してしまいます。最後はほとんどあたしや母のこともわからなくなっていたみたいですし、あたしもそんな風になってしまうのかな、という恐怖心はあります。
そして、ウエイドの、歳の離れた妻、後妻なんですが、彼女もまた症状が進行する夫を見守りながら、この先の人生について思いを馳せています。わが家にも、80歳目前の母がおりまして、いまのところ元気で、ボケたりもせず、家事もやっていますが、この状況がもう何年も続くとは思えません。
本書の妻の感情を思うと、あたしもこの先、母がどうなってしまうのか、その時あたしはどうしたらよいのか、と途方に暮れてしまいます。
あっ、本書は、そんな内容だけの物語ではないので、念のため。