ちょっと時代が違っていた!
少し前に営業回りの書店店頭でこんな本を見かけました。
『古代ギリシアの日常生活 生活文化から食生活、医療、仕事、軍事治安まで』です。この手の書籍では定評のある原書房の刊行物です。
あたしが気になったのはそのタイトルで、「あれっ、同じタイトルの本があたしの勤務先からも出ていなかったかしら?」とおもったのです。サブタイトルや原著者が異なっても、もちろん出版社も異なっていますが、同じタイトルの本があるのは書店現場でいたずらに混乱を招くだけですので、ちょっとだけタイトルを変えるというのはよくあることですが、この場合は全く同じではないだろうかと思ったのです。
でも調べてみたら違いました。あたしの勤務先から刊行されていたのは『古代ローマの日常生活』というタイトルで、なおかつ文庫クセジュという新書判の一冊でした。
古代ギリシアと古代ローマ、確かに「ギリシア・ローマ」と一括りにされることが多いので、勘違いしたりするのも致し方ないところでしょう。まあ、専門家やこの時代がお好きな方からすれば、「全然違うよ! ごっちゃにするな!」と叱られそうですが、世間一般のイメージとしては似たような印象を持っている人が多いのではないでしょうか。
ところが、この確認をしていたときに発見しました。
原書房からは『古代ローマの日常生活 24の仕事と生活でたどる1日』という書籍が刊行されているではないですか! しかも『古代ローマの日常生活2 社会のしくみから食生活、娯楽、信仰まで、生きていくための100のポイント』まで刊行されているのです。むしろこちらの方が、あたしの勤務先の文庫クセジュと間違えられそうです。
とはいえ、あたしの記憶にある限り、電話やファクスでこの両社を取り違えて注文してきたことは今まで一度もありません。間違えたので返品したいという依頼も受けた覚えがありません。案外こちらが思うよりも、読者の方、書店の方、いずれもしっかりと調べ確認した上で注文してくれているのだなあと思います。もちろん、本当に好きな人であれば、両方買ってしまうという方も多いのだと思いますが。
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