【クメール語】マイナー言語向けアプリ Ling が個人的にかなりおすすめ
Duolingoベトナム語は継続ほぼ1年となり、一日2回のレッスンが習慣になりました。そして、クメール語もDuolingoにあればいいのになあと思っていました。
クメール語の登場は数年前から待っていましたが、言語プレゼンスや話者規模を考えると難しいのかなと思いました。
そこで何となくChatGPTでクメール語の勉強方法を聞いてみると、このLingというアプリが出てきたのです。
Ling は、言ってみればDuolingoで取りあげられなかったマイナー言語を扱っているアプリです。(日本語でも使えるようです)
トップページにこんな文が書いてありました。
おおお、期待が膨らみます。
ここからは、無料部分の4レッスンを終えた時点での感想です。Duolingoを英語で使っているので、Lingも英語ベースで始めました。
学習モード
デザインは全然違うものの、機能はDuolingoそのものです。
画面はこんな感じです。
下向き矢印ボタンを押すと、レッスンの詳細が表示されます。
今日の単語の予習
レッスンを開くと、まず今回のレッスンで使う単語の予習があります。
いきなりクメール文字が文章で出てくるあたり、ゼロ初心者向けではありませんね…多分私にはちょうどいいです(クメール語歴5年経過)
単語マッチング
単語を音声で聞き、4択から選ぶのはDuolingoと同じです。
マッチングもDuolingoと同じです。
聞こえた文を選択肢から選択
文単位で選択肢があり、聞こえた文章と一致させます。これはクメール語にアルファベット表記があるので簡単です。
英訳
これも今の時点では簡単ですが、Duolingoと違う点は単語タップでの英訳がありません。後から厳しくなってくるかも…
4択から選ぶ問題もありました。
クメール語訳
逆バージョンもあります。これ、アルファベット表記だけだと読みにくいのでクメール文字を付けて欲しかったですが、仕方ないですね。
会話(Ling独自)
いいなと思ったこの機能。5往復くらいの会話文が流れます。後から全体でも発話単位でも聞き直すことができます。多分Duolingoにはない機能です。
そして次の画面では、同じ会話文の音声が流れ、単語の穴埋めをしていきます。
これも欲を言うとクメール文字が欲しかったです。クメール文字+アルファベットのダブル表記が今の時点では一番読みやすいです。
文字練習(Ling独自)
これもDuolingoでは見たことがない、文字練習のレッスンです。これを見たところで「ただのDuolingoの二番煎じじゃない!」と思いました。
独自の文字を持っている言語はやはり読み書きの習得が難しいです。私は既に小1の書き方の教科書を使ってクメール文字を覚えましたが(2年もかかった…)あの時このアプリあったらなあ、と思いました。書きながら、正しい音を聞けるというのは技術の恩恵です。
ダイアログモード(Ling独自)
さて、これもLing独自のモードです。日常生活で使いそうな会話を学べます。
学習モードの中の会話と違うのは、相手が話し終わって自分の番になった時に、選択肢があり、その時の気分で言いたいことを選べるのです。
例えば上の画面では、フォーマルな言い方とカジュアルな言い方から選べました。その先の会話も、選択肢によって分かれていくのかもしれません。
ボタンが「Send 送信」になっていて、クメール語でメッセージをやりとりしている感覚になります。これ、すごくないですか?
設定
設定が結構細かくできて、英語訳を出す or クメール語のみ表示させる、効果音を出すか、会話文をオートプレイするかを選べます。音声は「標準」と「遅い」が元々ありますが、さらに基準のスピードを0.75倍と0.5倍にできるという素晴らしい機能がありました。
Lingメリット
最初は「Duolingoのコピー?」と半信半疑でしたが、後発組のメリットとして、Duolingoの機能にないこと(特に文字の練習や会話モード)が痒い所に手が届く感じでいいです。
「Duolingoはすごくいいけど、足りない機能を補いたい!」というアプリ制作者の気持ちが手に取るようにわかります。
また英語版でDuolingoを使っている場合、操作がほぼ同じなのでやり方に戸惑いがありません。
Lingデメリット
Duolingoのゲーム要素がないため、モチベーションを保つのが難しいかもしれません。アプリ自体は地味ですし、Duolingoのようにユーザー数も多くないため話題性には欠けるかもしれません。
また、どの言語でもベースの単語と文章が同じであるらしく、登場するのはオーソドックスな基本文のみです。ですので、その言語独自の文化を反映させたような文章が例文には出てきません。
ですが、これは考え方を変えると、二言語並行で進行した場合にその二言語同士でもお互い学べるということです。
私の場合は、いつか「ベトナム語↔︎クメール語」を通訳とまではいかなくとも自分の中で繋げたいという気持ちがあったので、Lingを使ってベトナム語でクメール語を学んだり、あるいはその逆ができるのでは、と非常に大きな希望を持っています。
(ベトナム語とクメール語は、それぞれ英語か日本語を通して学んでいたのですが、この二言語は非常に似ているのでベトナム語とクメール語を繋げる練習をどこかでしたかったのです)
タイ発祥アプリだった!Ling創業者インタビュー
実はかなり面白いアプリ Ling、誰が作ったのか気になりました。調べてみると、ドイツでコンピューターサイエンスの修士号を取ったタイ人女性が、パートナー(おそらく西洋出身)がタイ語を習得するために研究して作ったアプリだったということでした。いやー興味深い!!
そして、Duolingoと比べてLingがクメール語に向いている理由も頷けました。
このインタビューの中で、Kanyaratさんはアプリで後悔したこととして「UXやUIデザインにお金をかければ、プロフェッショナルなイメージを築くことができてユーザーの信頼性が上がった」と言っています。
まさにこれは私が感じていたことでした。使っていると機能はかなり良いことがジワジワと分かってくるのですが、どうにもデザインが洗練されていないために、続けるのがモチベーション任せになってしまいそうです。
とはいえ、Duolingoのベトナム語とセットでLingのクメール語を毎日続けていれば地道にボトムアップできそうです。無料部分終わってしまったのですが、3ヶ月チャージから始めてみようかなと思いました。