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オンライン日本語講師が大学開催の国際日本語教育セミナーに参加してみた

最近状況が少しずつ変わり、今現在は在宅でオンラインの日本語講師とIT系の翻訳をしています。日本語を教えるのは iTalki とカフェレッスンでベトナム時代から長年行っていましたが、IT企業で働いたことで一旦中断。その後、先日からスクールに所属し、オンラインながら横のつながりもある状態で日本語を教えています。

プノンペンでのママ友(かつ大学の日本語の先生)が 第6回アンコールワット国際日本語教育セミナー でスピーカーとして登壇すると聞き、応援の気持ちと内容自体にも興味があったため、行ってきました。

結果、得るものが多く、非常に良かったです。


アンコール大学でのセミナー

シェムリアップには小規模の私立大学が点在していることは知っていましたが、この大学は初めて聞きました。場所も中心部からはかなり離れていて、行ったことのないエリアでした。建物はできたばかりで美しく、シェムリアップによくあるリゾートホテルのようでした。

日本人以外の日本語教師が集う場

この国際セミナーで登壇したのは、半分以上が日本人ではなく、ASEAN出身の大学の日本語教師や博士課程の研究員でした。全員がほぼネイティブの日本語運用能力で感銘を受け、さらに日本で育った日本人とは違う視点からの日本語教育のテーマは興味深かったです。

例えば、母語でのある言葉を直訳で日本語にしてしまい、それは日本語では意味をなさなくなるが、母語が同じ生徒同士ではライティングで共通の間違いをしてしまう、などのテーマです。

譲っていただいた本も貴重な記録でした。

オンライン日本語講師と大学・語学学校の日本語教師は、需要も教授法も全く違う

大学での研究は実はオンライン日本語講師には手に届きにくい場所にあり、この2グループは日本語を教えるという目的は同じであっても違う世界で活動しているのではと思いました。

大学/語学学校の日本語教師
-生徒は日本かアジア圏在住が多く、集団で対面授業を行う
-日本語習得の目的は日本での就業や移住、現地日系企業の就職が目的
-日本では直接法(日本語)、海外では現地語か日本語で教える
-授業のカリキュラム・利用する教科書がしっかりしている
-学歴・資格・高度な専門的知識が必要

オンライン日本語講師
-生徒はほぼ日本以外に住んでいる世界各国の人で、1対1でのレッスン
-日本語習得の目的は多岐に渡り、趣味で学ぶ人が多い
-間接法(英語、中国語、フランス語など)で教えることが多い
-講師は海外在住者、在住経験者が多い
-プラットフォームや講師により教え方は様々。会話の練習が多い
-複雑な知識は学校の先生ほど求められない(が、7、8年前に比べると外国語が必須になっているように思う)

コロナ禍で一瞬混じり合った両者

以下の投稿は、以前(もう2年半前ですね)zoomのセミナーに出た時の記録です。この時は今考えるとオンライン日本語講師と大学の教育機関がクロスした面白い現象がコロナ禍で起きていました。

あの時はある意味特殊な状況だったと思います。徐々に生活が元に戻り、セミナーが今回のように大学での開催(現地のみ、オンライン無し)となると、世界に散らばるオンライン講師と大学の研究はまた離れていくように感じました。
再び交わる可能性はあるのでしょうか。離れていく一方だったとしても、私はどちらの世界も足を踏み入れたいと思いました。

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