見出し画像

辺境のインターナショナルスクール

2ヶ月の長い夏休みを終えて、長男の学校では新年度が始まり、新しい学年になりました。他の都市のインターナショナルスクールに比べると、このシェムリアップの学校の生徒の入れ替わりは多くなく(この街では在住外国人の大半は街に根付いた事業をしているから)この2年でもほぼ固定メンバーです。


普段、「〜くんってどこの国の子?」と聞くと「みんな英語話すし、どこの出身とか考えたことない。バックグラウンドで人を判断するのは差別だよ」などと、嫌な顔をする長男ですが…
新学期初日、珍しく「転校生が来たよ!どこ出身だと思う?多分当てられないよ〜」とのこと。

チャレンジャー来た!

東南アジア、東アジア、南アジア、中央アジア、英語圏、と言ってみたのですが当たらず、降参したら「フランスから引っ越してきた、両親フランス人の、英語は話せないRくん」とのことでした。

それはすごいなあと思いました。確かにカンボジアはベトナムと比べても(人口比で)在住フランス人が多いですし、プノンペンには高校まであるかなり大きなフレンチスクールがあります(クラスの人数は35人程度で、一学年4クラスあると聞きました)。

しかしシェムリアップとなるとフランス人は多いものの、フレンチスクールは実質小学校まででした。(大家さんのお子さんがここに通っています)
今年の夏にフレンチスクールは移転して拡大し、一応高校までとなったようですが、まだRくんの年齢だと生徒があまりいないようでした。

プノンペンでもすごいチャレンジャーの話を聞きましたが…
(犬つながりで友達になったご夫婦は、子供同士も同じ学校で仲良くなりました。娘さんが小学生だった時に、家族で1年間世界一周しながら遠隔で教育を受けていたそうです。学校側も家族の滞在国に関した授業をするなどお互いに影響し合っていたそうです。まさかコロナ前に遠隔教育を受けながら世界一周なんて、ご家族も、学校も、やるなあと思いました。)

話が逸れてしまいましたが、この話を思い出すくらいRくんの話は衝撃でした。
旧宗主国出身の子が英語のインターナショナルスクールに通うというのは、ご両親が強い信念を持って新しい時代に適応しようとしているのだなと感じました。

フランス語の授業

さて、この学校では外国語に力を入れていて、週3回の少人数の外国語の時間があります。中国語とフランス語(とESL)からの選択制で、カンボジアと中国のつながりが深くなってきたここ最近では、半分以上の生徒が中国語を選ぶそうです。
長男も中国語だろうと思っていたら、フランス語を選択し驚きました。(小学校でスペイン語をやっていたからかもしれません)

フランス語を選択したのは同じ学年では6人、ネイティブのRくんを入れて3人がフランス国籍を持っているそう。授業はフランス人の先生が英語とフランス語を50%ずつ使い、他の生徒が英語をフランス語にする課題をやっている間、Rくんはフランス語を英語にし、英語の勉強のようにしていると言っていました。

コロナ前は、フランス語クラスは課外授業でEFEO(フランス国立極東学院)を訪れたりしていたそうですが、まだ今のところそういうアクティビティはないようです。在住していてもEFEOを訪れるのは敷居が高いので(在住のオーストラリア人でさえ言っていました)そういう機会が学校であるといいなと思います。

唯一の日本人中学生

この夏で中学3年目となり、小学校から新しく持ち上がったクラスにも日本国籍を持っている子はいなかったようです。(小学校・高校ではいます)
中学3年間を唯一の日本人として過ごすことになりそうです。

ほとんど日本で育っていないので、日本代表になるのは荷が重いんじゃないかとアラフィフ親は思ってしまいますが、あまり本人はそんなことは気にしていないようです。多国籍の先生・クラスメートの中でGen Zらしく軽やかに渡り歩いているようです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?