ぼくはどうやって生まれたのだろうか
ぼくはどうやって生まれたのだろうか。
ぼくのお父さんはどこにいるんだろうか。
ぼくのお父さんは僕のこと好きじゃなかったのかな・・・。
そんなことを3歳の息子が、ぽつりと言った。
そんなばかな。
・・・そんなわけはなく、
「なんでママとパパはケンカしたのー」
「仲直りして一緒にくらいしたいー」
くらいのことを以前言われた。
そりゃそうだよね。
パパほしいよね。
○○ちゃんがアンパンマンのおもちゃ持ってたからぼくも欲しい。と同じレベルでほしいよね。
△△くん、でぃずにーらんどにいったって。ぼくもいきたい。と同じレベルでほしいよね。
わかるわー。
冒頭の言葉は、将来息子が大きくなったら、出生について知りたくなるのかなぁと想像した私の言葉。
いくら母にべろんべろんに溺愛されているとはいえ、自分の出生の片方に謎があると知りたくなるだろうなと思ったからだ。
きっと私が息子の立場でもそうなると思う。
5月末に元パートナーと2度目の再会をしてきた。
1度目の再開は約4年弱ぶり。
そのお話はこちらから。
2か月前に会ったとはいえ、今回も私は緊張していた。
今回は、当時結婚しないと決めて私が家を出て行ったあたりの彼の気持ちを聞きたい、とお願いして時間を取ってもらっていた。
はたして奴は何を話すのか。
前回「あの時のことは覚えていないんだ」といった言葉は本当だろうか。
待ち合わせのコメダ珈琲で席に通されるのを待ちながらメニューを眺める。
待ち合わせ時間の10分前。
何かLINE来てるかなとスマホを見ると、元パートナーから3通も連絡が来ていた。
会おうと誘っておきながら、連絡を受けるのがイヤすぎて通知をOFFにしたままにしていたのを忘れていた。
「ごめんなさい、二度寝して今起きました。リスケできますか?来週・再来週の週末は空いてます。」
「今から出ると、40分くらい遅刻するかも」
「とりあえず今向かいました!」
と30分ほど前に立て続けに来ていた。
あほかー!
二度寝なめとんのかー!
と思いつつ、この人ならいつものことか、と当時の彼の性格を思い出し、冷静さを取り戻す。
子供を土曜保育で預けている手前、来週再来週の申し込みは今からは厳しい。
「今気が付いた。今日でよろしくお願いします!!!慌てずに来てね、別に気にしてないから」
彼を待つ40分間、腹減ったー食事メニュー頼もうかなーと悩んでいた。
11時の約束が11時40分にずれる。
そこから約1時間話すとすると、おなかが減る。
話に集中できるだろうか。
まだ彼がくるまでちょっと時間がある。サンドイッチ頼むか・・。
でもサービスが遅れて食べながら話することになったら・・・。
なんかそんなことを考えながら結局、サービスで出された豆をポリポリ食べて空腹をしのいだ。
遅れてきた彼は平謝りし、オレンジジュースを注文し、ごくごくと飲み干すと、
「俺の当時の話だよね?」と自ら話し始めた。
お、自分から話し始めた、と驚きながら、こくりとうなずく。
「当時は付き合って同棲し始めて数か月たったころかな?だんだん違和感が出てきたんだよね」
「違和感」というオブラートに言葉を包んだが、この人(私)と結婚前提に付き合っていいのか?この人のこと本当に好きなのか?と疑問を持ち始めたということだと理解した。
「でもできちゃったから結婚進めるしかないかなって。友達とかにも相談したんだ。でもみんな結婚なんてそんなもんだよって」
「結婚届も俺は手元にあるってわかってるじゃん。だから毎日どうしようどうしようって悩んでたんだ」
「君が家を出て行ったあと、君宛の郵便が届いたから届いたよーってLINEしたんだ。でも既読にならないでしょ?死んだんかな、って心配になってさ・・・」
勝手に殺すな。
でもまぁ妊娠中だったしそういう想像もすることは理解できる。
「でも、もうそのままにするしかなくて、時々連絡したけど既読にならないし。あんまり考えないようにしたんだ」
「そしたら4年ぶりくらいに連絡来たでしょ?俺LINE乗っ取られたんかな?って思って怖っ!て思って『俺宛ですか?』って返事したんだよ」
乗っ取りを想像するのか!そこで君は乗っ取りを想像するのかー!
・・・ちょっとウケた。
一通り彼からの話が終わったところで、私からも質問した。
「違和感あったってことはさ、私から『もう結婚せず別れる』といった時、正直「ラッキー」って思ったのかな?」
彼「・・・正直、正直言うと、ほっとした、って感じかな・・・」
「子供には会いたいとか、どうなのかな?」
彼「こんなこと、君にいうのはおかしいと思っているけれど、会いたいとは思うよ」
「おかしいと思ってるって?」
彼「君も新しい人と出会うかもしれないし、新しいパパにあわせる前に余計なにおいを付けない方がいいと思って」
におい・・・。
「大丈夫だよ。あなたに会うまでに心の整理つけているつもり。
何より子供が大きくなった時、絶対自分の本当のお父さんのこと気になると思う。」
彼「それならよかった、うん。会いたい。元から子供好きだし、やっぱり会ってみたい」
そんな会話で1時間弱。
頭の中の想像ではまたくだらない同僚の話や友達の話で1時間くらいつぶれるのかと思いきや、当時のことをちゃんと振り返ってくれていた。
すっかり、私のもやもやのわだかまりは消えた。
なお、当時私の父の携帯番号などは把握していたのに、そっち経由で私や子供の安否を確認しようと思わなかったか聞いたら、「お父さんに電話したくないという気持ちが勝ってしまった」と言っていた。
まぁそんなもんだ君なら。よかろう。よかろう。
当時のことを謝ることはなかったものの、私も謝ってほしいわけではなかった。
どうして結婚届出さなかったの?
かたくなに話すことはない、って言ってたのは本心なの?
当時もやついていたそれらの謎がクリアになって私はそれで本当に十分だった。
息子の気持ちもあるので、また確認して連絡するね。とボールはこっちが持った。
息子は間違いなく会いたいという。
お父さんという概念に憧れているからだ。
私の中で1回目に会った3月からこんな風に考えていた。
「2-3回は会わせてみるけど、それ以上継続して会いたいと言ったら、認知してもらって、養育費払わないと会わせないと言おう」
まだ彼のことを疑った方向からしか考えられない私は、養育費は払わんなこいつは、と思った。
そういえばFXや仮想通貨の草コインに今は夢中らしい。お金は溶けていく一方とのこと。
過去に借金などもあり、お金に対するネガティブな感情を抱えていることが感じられた。
一般的には子供に会うことと養育費の関係はどうなのだろうか?
Google先生に聞いてみると、驚くべき事実を知ることになった。
なんと、養育費が未払いであったとしても、子供に会う権利は損なわれない、交換条件にはならないというコトだった。
子供に会うコトを「面会交流」という。
子供と離れて暮らす親と子供が、直接会ったり、電話・文通・メッセージなどのやりとりをしたりして交流をもつことらしい。そして面会交流は「子供の健やかな成長には、両親から愛されているという実感が重要である」といった考えから設けられたもので、子供のための権利とのこと。
だから養育費が支払われなくても、会いたいという要望には応える義務があるらしい。
※これは離婚などの場合なので、未婚のかつ元パートナーに認知してもらっていない私のケースがすべて該当するかは細かく調べていません。一般的な話を簡単に調べたまでです。
愛はお金じゃねぇ!と言いつつも、お金がないと暮らせねぇ!
お金を払う気がないということは、息子をかわいくないと思っているってことなんじゃないの、ああん!??
と、勝手にまだ何も話していないのに想像を膨らます。
でも、元パートナーに対する憎しみがなくなっているから、息子のためなら養育費払わなくても会わせるか、という気持ちにもなった。
でも、そういう状況を子供にどう伝えたらいいかがよくわからない。
お父さんのことを悪くいってしまわないか?
お金を払わないってことは卑怯なんだよ、お母さんの働いたお金だけであなたを養っているんだよ、って伝えそうにならないか?
いずれにせよ、まだ息子にも落ち着いて話せていないし、元パートナーにも認知も養育費のことも話してない。何よりまだ二人は会っていない。
一度会わせてから考えてみよう、と思う。
ぶち当たった事実に対して冷静に対応していこう。
思い込みは一番の邪魔なもの。
私の憎しみは思い込みだった。
憎んだままだったら息子を本当の父親にあわせてやろうとは思わなかった。
半年前から考えると180度違う選択を私は選ぼうとしている。
成長したな、私。