日本手話とはとんな言語だろう?
なぜ「手話言語法」「手話言語条例」?
聴覚障害者団体等が、手話も言語であることを認めてほしいという運動を行っています。
なぜこのようなことをしなければならないのかというと、「(日本)手話と(口話)日本語が全く異なる言語」だからです。全日本ろうあ連盟では、
「手話言語は音声言語と対等な言語であることの“理解と普及”が必要」
という表現をしています。
日本手話の特徴は?
文字を持たない生活言語である。
最初に指摘すべきは、日本手話は動画で録画はできますが、動作や語順を正確に紙に表記する方法は、存在しないという事実です。
だから、日本手話の教科書は自習が難しいのです。
参考までに、米国で広く使われているアメリカ手話(American Sign Language)も、文字表記はできません。
口話日本語とは無関係
最大の違いは、助詞がないことです。
基本的には、語順でSVOCが決まります。日本語は粘着語に分類されますが、日本手話は孤立語です。名詞間の関係を明確にするために指差しが併用されます。
固有語は生活単語
聾者の日常生活から発生した言語であり、抽象概念に乏しい。
抽象概念はほぼ指文字表現
生活言語であった日本手話は、当初は家庭内や集落内など話者の生活圏内のみで「手真似」として通用したと想定されるが、明治以降の聾教育により聾者同士が社会を構成することとなり、
聾学校を中心に広がりを見せることとなった。
日本手話の動詞・形容詞:何をどう記述するか 国立国語研究所2019
指文字自体が、大阪市立聾学校元校長である大曽根源助氏が、教諭時代に渡米しヘレンケラーと出会うことで知ったアメリカ式指文字を参考に開発したものを、大阪市立聾唖学校での教育で実用に供したことが起源となっている。
国立大学法人 筑波技術大学 ろう者学教育コンテンツ開発プロジェクト 資料
「教育現場で発生した=教育上必要だった」ことは、日本手話という存在を理解するうえで絶対に忘れてはいけない。
大曾根 源助 略歴
大阪府立中央聴覚支援学校ウエブ
日本手話の問題点
国語研究所が絶滅危惧言語に分類しているほど使用者が少ない。
抽象概念はすべて多言語からの輸入語。
記述できないため抽象的な議論や複数の時や場にまたがる論議を扱うことが困難。
言語としての完成度並びに性能が低い。