2019/4/2 soarクラウドファンディング LIVE配信 勝手文字起こし(2/3)
先日アップした、NPO法人 soar(ソアー)さんのライブ配信文字起こし。
https://note.mu/nanbyojoshi/n/n55bb7338e10e
その続編をアップします。
soarの代表・副代表のお二人がsoarをはじめて3年たった今思うこと、生きづらさをなくすとはどういうことか、またメディアとしてのsoarがなにを大事にしているのか、という普段soarに掲載されている記事の背景にある哲学・思いの部分が語られています。
■当日の音声データ
下記Twitterの画像をクリックすると、当日の音声を聞くことができます。
(以下文字起こし)
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■「soar」をはじめて、今思うこと ー 「言っても大丈夫」
工藤:…でsoarがはじまって。もうほんとはじめてよかったことしかないっていうか。
自分と同じようなことを考えていた人もたくさんいるし、自分が好きなものが誰かの好きなもの・好きな活動だったり、好きな人のことを伝えることで誰かが励まされるっていうのはすごい素敵だなっていうふうに思い続けているこの3年半なんですけども。
ジュンヤくんはどんなことを思っていますでしょうか。
モリ:そうですねえ…「実は私は」ってマンガがあるんですけど。
工藤:…知らない(笑)。「実は私は」?
モリ:まわりにいろいろ伝説上の生き物とかが実はいて、みんな必死に隠しているんだけど「実は私はなになにで…」っていうのがいろいろと出てくる話。まあそれは置いておいて。
soarをはじめてから「実は私、こうだったんです」とか「実はこうなんです」とか。「カミングアウト」みたいないい方をすると仰々しくなっちゃっていうかあまり好きじゃないんですけど。今までしなかった話を、今までお仕事をご一緒していた人たちだったりとか、知り合い・友人知人の中で、そういうことをいってくださるというか、耳にする機会がすごく多くて。
たぶんそれって、soarをやっていることで「言っても大丈夫なんだ」っていうことにもなったんだと思いますし。あえて言うことでもないけど言っても大丈夫かなとか言おうかなというきっかけになったんだと思っていて。
僕がsoarをやっていて、自分にとって価値があるなって思うことはいっぱいあるんですけど。ひとつは自分が気づけてなかったいろいろな困難みたいなものだったりとかマイノリティ性が、実はいたるところにあるんだなということがわかりました。
要は今まで顕在化していなかった、気づいてなかっただけで実はいっぱいあるんだなということがわかったっていうのもそうですし。
身近な、というよりかは社会にはこんなにたくさんの困難があるんだ、マイノリティ性があるんだなことをsoarをやることを通じて知っていけているというか。
普通に生きてるだけだともしかしたら出会わないかもしれないということがすごいたくさんあるなあと思っていて。それは本当に自分にとって価値があること、やってよかったと感じることかもしれないですね。
工藤:結構、クラウドファンディングやっていても、意外な人から支援があったりとかして。過去に会ったけどずっと会ってなかった人から支援があったりして。
そこではじめて子供に障害があるんだとか、実は兄弟が…っていうようなことを教えてくれたりとか、自分もうつになったことがあってみたいなことを話してくれてて。
soarをやって、こっちから私たちの考えを表明することで、安心して弱さを共有してくれるみたいなタイミングにもなっていたりとかして。それはすごいうれしいことだなあと。
■生きづらさをなくすことは、マイノリティ性との遠さをなくすことから
モリ:それこそsoarをやりはじめる前に感じたことだったりもしますけど。たしかにLGBT関連の団体かな?のイベントかなんかにお邪魔したときに。僕はLGBTの当事者ではなくて、そういう支援活動しているっていう人間でもなかったんですけど。でも関心があって参加していたんですよね。
そうするとその空間では自分の方がマイノリティというか、(※映像飛ぶ)…みたいなリアクションがあって。
それはなんかすごいもったいないことだなというか、悲しいことだなと思って。もっとフラットに関心があって、とか(その場に)いたいから、おもしろそうだから来て、というのが許容された方がいいと思いますし。
そういう人たちと話すこと、コミュニケーションすること、そういう場におもむくことが特別なことじゃないっていう状態になったら、社会の中にある生きづらさがもっと減っていくんじゃないかな、解消されていくんじゃないかなって。
その辺はsoarの記事が「友達に語りかけるような」っていうふうに表現していただくこともあったりするんですけど。友達の友達ぐらいにそういう「あ、そうなんだー」っていうマイノリティ性がある人がいたりすると、ちょっと身近になったりとか、全然未知の存在にならないってなると、接しやすくなったりとかするかなと思ったりもしていて。
それぐらいの近さというか、近さ作るというか遠さをなくすくらいの方がニュアンスとしては近いかもしれないですけど。そういうことを広げていくだけで、孤立してたり分断を感じていたり、…それが生きづらさと表現されているのかもしれないんですけど…、そういうのをなくしていける・減らしていけるんじゃないかなっていうのは改めて感じることだったりしますね。
工藤:なんかはじめた当初を思い出すと、はじめてLGBTのレインボープライドに行ったりとか出たなーって思い出して。パレードを歩くとめっちゃ楽しいし、なんかめっちゃ友達になるんですよね、一緒に歩いている人たちと。なんか、あれよかった(笑)。そういう「友達になる感覚」みたいのが記事でできたらいいなあみたいのは、ありますね。
■メディアとしてのsoarの哲学
工藤:ジュンヤくんはいろんなメディアに携わってきて、海外のメディアとかいろんなメディアを見てきて、いろんな報道のあり方を見ていると思うんですが。soarのメディアの哲学的な…どういうのを込めているかみたいな。
モリ:そうですね…。デジタルのメディアとか、全体的にどうやって持続可能にするかとか、そこに苦戦しているのが続いていて。ビジネスモデルがそんなに多くなかったりとか、広告が結構多かったりして。最近だとサブスクリプション(※注)とかが出てきたんですけど、結構それもすごい最近の話で。
(※注 サブスクリプション:ビジネスモデルの1つ。製品やサービスなどの一定期間の利用に対して、代金を支払う方式)
ビジネスモデルがどうなってるかによって、そのメディアがやりたいことをちゃんとも実現できるかどうかが変わったりしますし。やりたいことがどういうことかによって適切なビジネスモデルを選ぶのが本当はあるべき姿だなと思っていて。
結構WEBのメディアだとページビュー増やして、広告出してそれでビジネスするっていうことがずっと主流だったんですけど。そうじゃないやり方でもっと作っていかないと、数字が稼ぎやすい情報ばかりが取り上げられるし、そういうものを取り上げるメディアしかビジネス的に、経済的に成立しない状態になってしまうという。
そうするとどうしても社会的マイノリティっていわれている人たちの発信をする時には、どうしても数字を稼ぐために、やっぱりちょっとかわいそうな見え方だったり、センセーショナルな見え方をしないといけなくなってしまったりだとか。
そもそもその課題・その困難・そのマイノリティ性に関心を持つ人があまり多くないっていうテーマを取り上げる優先順位がとても下がっていってしまうということになっていて。そうすると本来望まれる発信のされ方ではないものになってしまったりとか、本来誰かが求めているはずの情報が取り上げられないということになってしまう。
soarとしてやりたいのは、しっかりその人のありのままの姿にみんなの目を向けていきたいなっていうのがありますし。他のところではなかなか紹介されないようなマイノリティ性だったりとか、生きづらさ・困難みたいなものに光を当てていけるといいなというのがあったので。
それをやれるようなメディアの運営の仕方を作っていかなければならないよねというのが前提としてあります。
■非営利メディアとしてどう社会的インパクトを出していけるか
一番最初は本当にプロジェクトベースではじめて、クラウドファンディングを一番最初にさせてもらって、活動費を集めて。いろんな方にご支援いただいて。300人を超える方々にご支援いただいて。
多くの人に支援していただきながら、要はそれだけ共感してもらえる活動なんだっていう実感が持てたので、運営の母体もNPO法人にしていろんな方にサポーターになっていただいて、共感いただける方々と一緒にメディアを育てていくっていうことで。
自分たちがやる発信するべきだっていう情報をちゃんと届けられる状態を作りつつ。変に「いろんな人にもっと読まれるようにしなきゃいけない」とか、ビジネスとして成立させるために本当はちょっと違うんじゃないかと思いながらやる…みたいなことをやらない状態でどうやってメディアをサスティナブル(持続可能)にするかっていうのをsoarは重視していて。
海外だと一部そういう非営利メディアみたいなものが存在しているんですけど。非営利メディアとしてsoarがどういうふうに社会的にインパクトを出していけるか、ということを目指していく感じですね。
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(文字起こしここまで↑)
この前後の文字起こしは下記↓になります。
(1/3) https://note.mu/nanbyojoshi/n/n55bb7338e10e
(3/3) https://note.mu/nanbyojoshi/n/nd22790675701
■soarクラウドファンディングページ
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