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ウルトラメタ時代に大事にしたい、「期待値調整」のハナシ。

えいと:この間のりょかちさんとの対話見ました!ウルトラメタとウルトラベタの話、面白かったです!

なんぼー:ありがとう〜!

えいと:話を聞いてから、周りにあるものメタだらけに見えてきちゃいました(笑)

なんぼー:一度気づくと身の回りにも沢山あることに気づくよね。

えいと;例えば最近だと、クラフトコーラって今すごく流行っているじゃないですか。あれもメタじゃないですか?みんな大好きなコーラを前提につくられている商品というか。

なんぼー:うーん。クラフトコーラはむしろ、メタに見せかけているけど、メタになれていない事例だと思うんだよな〜。クラフトコーラ自体は好きなんだけどね。

えいと:ええ!どうしてですか?

なんぼー:えいとは、クラフトコーラ飲んでどう思ったの?

えいと:ぼくは正直、なんていうか……。「これは、コーラなのかな?」という感じですかね。喉が乾いてすっきりしたい時に飲んだんですけど、爽快感のある味じゃなかったというか……。

なんぼー:そう。コーラとは似て非なるもので、メタ構造になっていない気がするんだよね。

えいと:確かに。「やっぱコーラって最高!」って感じではない…

なんぼー:今コンビニで買えるようなコーラに期待するものって、「一瞬の楽しさ」「乾きを潤す」「爽快感」みたいな感じだよね。だけどコーラって、本来はソーダで割る原液みたいなもののことを言うの。

えいと:たしかにクラフトコーラは原液で売ってました!

なんぼー:そうそう。スパイスでできた割り物なんだよね。だからどちらかというと本来カレーに近くて、味わいを楽しむものなんだよ。お酒だと、カクテルやウイスキーが好きな人はきっと好きだろうな。

えいと:確かに、ごくごく飲んでうまい!っていうよりは、なんか微妙に違う味わいを楽しむような味ですね。その点、クラフトビールは、ビールの美味しさは同じだけど、少しずつ味が違っていて、ビールの楽しさの上にそれぞれの味の違いを楽しむ気持ちが乗っかっている気がします。

なんぼー:メタになるものは、ベースとなる楽しさの延長線上にないと。そもそもの「コーラ」という言葉が持っている期待値のコアからはズレちゃもったいないよね。

えいと:なるほどなあ。改めてクラフトコーラの楽しみ方を知ることができたかもしれません。なんかクラフトコーラって最近、地方でよく見かけるんですけど、そうやって少しずつ違う味わいを楽しめるのって、地域のお土産に合いそうっていうか。

なんぼー:僕もクラフトコーラは好きだよ。だからやっぱり、適切な楽しみ方を伝えると言うか、適切な期待値をもたせることは大切だよね。今のままだと、「あれ、僕が好きなコーラとは違う」と思っちゃいそう。

えいと:まさに僕ですね。「期待はずれ」って思っちゃってました。美味しいスナックとかと一緒にじっくり楽しむなら美味しそうですけどね……。

なんぼー:だからこそ、正しく期待をつくらないとだね。メタはやっぱりヲタクが喜ぶものをつくらないとダメだから。「このコンテンツの愛されている理由は何なのか?」を考えて、そのコアな部分の上に要素を載せていくのが、メタの作り方かもしれないな。

えいと:クラフトコーラはむしろ美味しいから、名前を変えてもいいかもしれないですね!

なんぼー:そうだね。カレーとスパイスカレーは違いがわかるから、スパイスコーラとかもいいかもしれない。

えいと;なるほど、そっちの方が伝わりそう。それにしても、瑠璃光院の話の時も思いましたが、期待値を適切につくるって難しいですねえ。

なんぼー:まあ、「期待値調整」っていう言葉が昔からあるくらいだから。それでいうと、最近のNIKEのアプリの作り方は面白いかもしれないな。

えいと:NIKEですか?僕もランニングの時使ってますよ!『Nike Run Club』。ドヤ顔でインスタにも写真あげたりしてます(笑)

なんぼー:僕は『SNKRS』でスニーカーを見てる。NIKEって、同じ会社なのに用途ごとに細かく分けて別アプリ作っているんだよね。『Nike Training Club』もあるでしょう。

えいと:ほんとだ!色んなアプリがある……

なんぼー:トレーニングやランニングしたい人はアプリを使って「計測」したいけど、スニーカーを求める人はアプリを使って「購入」したい。ブランドへの期待値が違うユーザーを同じナイキのアプリでまとめずに、それぞれに特化したアプリを用意している。

えいと:わざわざ分ける意味あるんですかねえ……?

なんぼー:まずは、ユーザーの期待値にちゃんと答えているよね。「買いたい」「記録したい」という要望をシンプルに叶えられるようにしている。その分、スニーカーアプリなら抽選機能とか履歴機能とか「購入」に特化したコンテンツを充実させられるし。

えいと:レアなスニーカーを買いたいという気持ちでナイキというブランドに接している人は、すごく楽しめそう。

なんぼー:それに同じアプリで複数のニーズに答えていないからノイズも少ないよね。

えいと:確かに!なんかどんどん機能とかサービスが増えちゃって、どこから使えるのかわからないサービスすごくありますよね。本当にストレス……。

なんぼー:思い切った決断だよね。普通なら同じアプリにいろいろ機能載せたくなる。

えいと:最近はLINEとか、PayPayとか、一つサービスがヒットするとファミリーサービスをどんどんつくっていく風潮があるけど、真逆の戦略だ。企業からすると、ヒットしたアプリをきっかけに、どんどんユーザーの可処分時間を獲得したいという気持ちで一つのアプリにどんどんサービスを乗っけていくんでしょうけどね……。

なんぼー:一つのアプリで複数のサービスを使えるのが便利という視点もあるよね。ユーザーの期待値を利用して複数のサービスの認知を広げるか、あるいは、ユーザーの期待値にできるだけシンプルに答えるサービスを複数つくっていくべきなのか。今後どちらの考え方がメジャーになるのか楽しみだね。

えいと:どちらにせよ、ユーザーの期待値のコアは何なのかを見極めなければならない考え方は役立ちそうですね。

なんぼー:良いものも、「期待はずれ」になっちゃうのは勿体ないからね。

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