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フツウにとらわれず、「情報を正しく見つめよう」
なんぼー:わ、すごいカレーのにおい。
東谷:よお、なんぼーくん!
なんぼー:カレーメシ食べてるんですか?
東谷:チッチッチ!惜しい。これは「完全メシ」のカレーメシだよ。
なんぼー:おお!日清食品さんの完全メシシリーズですね。めちゃくちゃ売れてるらしいですね。お腹空いてきた。僕も食べようかな。
東谷:ラ王あるからあげようか?
なんぼー:めっちゃ買ってるじゃないですか!(笑)でも、ありがたくいただきます!
東谷:いやはや、この日清食品の『完全メシ』、素晴らしいよね。これこそ俺たちが追い求めていたものだよ。
なんぼー:間違いないですね。「健康のために食べる」の革新が起きました。これまでは、「これだけ栄養素が入ってる、だから少しはまずくても良い。健康的であることこそが価値だ!」というアピールだったけど、この『完全メシ』シリーズは、「ジャンクでうまい」と「健康に配慮してる」を両立してる。
「健康のために美味しいものを我慢」できる、意識高い人だけじゃなくて、普通の人もヘルシーに食べたい。なら、美味しいほうが良いよね?って発想ですよね。
東谷:このカレーメシについてる文言が良いんだよ。「栄養バランスを考えるのがめんどくせぇ奴らに!」そのとおり、俺だよ。
なんぼー:「そもそも、完全食を手軽に食べようとする人は面倒くさがりなんじゃ?」っていう仮説ですよね。素晴らしい。
東谷:そのとおりだよな〜。わざわざ手軽に栄養取ろうとするやつなんて絶対食に時間書けられてないからね。
なんぼー:以前から販売してた、カップヌードルプロとか伏線だったのかもしれないなあ。
東谷:まあちょっと、『完全メシ』は、なんか粉みたいなの混ぜるのは気味悪いときもあるけど。
なんぼー:人工っぽさはありますよね。だけど、今って「ホンネの時代」だと思うんですね。
東谷:本音の時代?
なんぼー:インフルエンサーも整形を告白して人気を得られたり、リアルな姿を見せることで信頼が増すというか。
東谷:なんぼーくんのツイートで見たけど、「おすすめしない」が流行ってるのも、建前じゃなく「リアル」だよね。
TikTokといえばインフルエンサーによる「商品のおすすめ」で「TikTok売れ」が起きる、って話は当たり前になりつつありますが、海外ではその揺り戻しか「デ・インフエンシング」=お勧めしない商品を言うことが増えているそうで。
— なんぼー | Taishi nambo (@architectizm) February 11, 2023
お勧めしすぎで興味が離れる現象は難しい。https://t.co/KxRh5SjTJ6
なんぼー:まさに。だから、少々見た目が気味悪くても、それが「リアル」で受け入れられているのかなと。
東谷:なるほど。しかし、この『完全メシ』から学べるのは、既存の常識にとらわれず、 “情報を正しく見つめよう” だね。
なんぼー:そうですね!ヘルシー志向っていうと、健康を押し出した食品を考えがちだけど、むしろジャンクに美味しいのに健康に配慮している方が嬉しい。そういう本音を見極めるべきですよね。
東谷:こんなジャンクなもの食べながら、健康に配慮できるの幸せだなあ!
なんぼー:「情報を正しく見つめよう」って良い言葉ですね。DeNAベイスターズでの観戦が楽しかった話を思い出しました。
東谷:ほう。
なんぼー:僕、野球が好きでよく観戦しに行ってるんですけど、楽天とDeNAが観ていて楽しいんですよね。
東谷:それはチームのコンディション関係なく?
なんぼー:そうです。ベイスターズがDeNAになった時、「競合は居酒屋だ」と決めたらしいんですね。だから、勝敗に関係なく楽しめる仕組みがものすごく豊富なんです。
東谷:ほ〜なるほど。
なんぼー:横浜のクラフトビールやさんに頼んで作ってもらっている独自のビール『BAYSTARS ALE』を作っていたりしますし。
あるいは、同じく楽しめる楽天のスタジアムは、形がアシンメトリーになっていて、左奥は芝生シートになっていて寝転がってゲームを見ることもできますし、観覧車もあるんです。メジャーリーグの球場を参考にしてるんですよね。野球場じゃなくて、ボールパーク。
東谷:楽しそう〜!俺、家族で行こうかな。
なんぼー:そうなりますよね。BBQできる席もありますよ。
東谷:最高じゃん!
なんぼー:こういう席があるのは、楽天やDeNAが、「ライバルはサッカーだ!」というふうに、競合を別のスポーツで考えず、”居酒屋”といった”消費者の過ごし方”で考えているからだと思うんですよね。
東谷:そうだね。今の話を聞くと「サッカー見に行こうかな、それとも野球かな」と考えるというよりは、俺だと「休日家族とどこ行くかな。水族館もいいけど、野球観ながら外で遊ばせるのもいいな」という選択肢になりそう。
なんぼー:そうなんです。野球観戦って3~4時間のアクティビティなんですよね。だから、家族だと休日を過ごす選択肢のひとつになるし、若い世代だと「飲みに行かない?」が「野球見に行ってみない?」にもなり得るんです。
東谷:野球はスポーツだけど、野球観戦はアクティビティだもんね。奥さんは野球興味ないから今まで選択肢になかったけど、野球観戦、アリだわ。
なんぼー:そうなんです。競合を変えて、「ハレの日」としての設備を整えることで、スポーツに興味がない人を連れて遊びに来てもらうこともできるんですよね。
東谷:面白いね、野球観戦。
なんぼー:これも「強豪はスポーツ」というフツウの見方にとらわれず、「情報を正しく見つめよう」をやってみた結果だと思いますね。
東谷:なるほどね。お客さんが求めているものも競合も、「ほんとうにそうなんだっけ?」を考えてみるのが必要なわけだ。
なんぼー:そういう見方ができるようになりたいっすね。それに、そういう発想でこれから生まれてくる商品やエンタメも楽しみです。
東谷:そうね。しかし、これ以上、美味しくてヘルシーなものができても困るかも。
なんぼー:ええ、なんでですか?
東谷:食べすぎて眠くなってきちゃった。
なんぼー:それは東谷さんの問題です!(笑)