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常に人生にカオスを

りょかち:去年会社員をやめて独立して、もう1年経っちゃいました。今年は渡航の規制も緩和されそうなので、海外リモートワークに挑戦してみようかと。

なんぼー:いいね。5月からのカナダはすごく気候がいいって聞いたよ。

りょかち:私、同じ働き方を長期間してると不安になってきちゃうタイプなんですけど、なんぼーさんも、大企業からベンチャー、そして独立と、どんどん働き方を変えていますよね。

なんぼー:数年ごとに働く環境を変えてきたことをすごく良かったと思っているんだよね。電通8年目の時にメルカリに転職したんだけど、電通の中でも色々部署を経験したし。最近は意識的に、仕事環境の変化を定期的につくるようにしてる。

りょかち:私も社内転職経験があります。すごくいい経験でした。ただ私は会社でいうと、ベンチャーでしか働いたことがなくて。大企業からベンチャーに行くって結構カルチャーの違いに苦労しませんでした?

なんぼー:僕は元々大企業でもベンチャー企業を担当していたからそうでもなかったかな。ただ、入社してみると、物事を進めるスピードが三倍速でびっくりしてさ。当時のメルカリは、マネージャーと役員くらいしか階層がなくて。

りょかち:確かに大企業は社内のプロジェクトを通そうにも関係者が多いですもんね。最近大企業から独立される方も多いですが、大企業からベンチャーに行くのはオススメですか?

なんぼー:一個人としてはものすごいスピードで経験値が貯まる経験をさせてもらったと思ってるね。今の世の中はものすごいスピードで変化していくから、転職するのはすごく良い経験になると思うよ。

りょかち:メルカリで働いたことがあるのは確かに私も羨ましいです。今はベンチャー企業もすごく待遇が良いし、むしろ逆に、「新卒からベンチャーに行くのはアリか?」「新卒で行くべきは大企業かベンチャーか」ということも話題になりますよね。

なんぼー:ベンチャーは仕事を教えてもらうところじゃないから、ある程度仕組みが整った会社で仕事の仕方を身に着けてから、スピードの速い場所に行ったほうがパフォーマンスは出せる気がするな。あと、僕は大企業を5年目くらいでやめなくてよかったと思っているんだよね。

りょかち:へえ!それはどうしてですか?

なんぼー:大企業って大体の場合、仕事を任されはじめるのは3~5年目くらいで、7~8年目でキャリア展開の速い人は部分的にマネージャー業務を任されるようになる。

ベンチャーって、マネージャー業務がものすごく難しいんだよね。メンバーとマネージャーって全然違う仕事で、メンバーの精神的なケアをしながら、自分もパフォーマンスを出さなきゃいけないし。その上ベンチャー企業では、新たに仕組みも作っていかなきゃいけないわけで。大きな企業でまず一部のプロジェクトとかでもいいからリーダー経験経験をしてから、ベンチャー企業でマネージャーとして仕事をするほうがいいんじゃないかと僕は思うね。

りょかち:確かに、ベンチャー企業でいきなりマネージメントーするってめちゃくちゃ難易度高いですね。最近は大企業からベンチャー企業に行く人も多いですが、大企業で培ったスキルが生きるというのは他にもありそう。

なんぼー:「物事をちゃんと進める」というスキルはすごく高いと思うよ。電通は人材のアベレージがものすごく高くて、仕事も雑に進めない。リスクを鑑みながら、ステップを踏んでちゃんと進める力が高い。スタートアップの良さはぐんぐん前に進むことだから、そのスピード感を企業文化として持ちながら、大企業出身の人をチームに入れて、三年先を見据えてちゃんと進めてもらうという形を取るのはすごくバランスがいいと思う。

りょかち:最近は、ソフトウェアだけで完結するサービスではなく、既存の仕組みや法律を改革しながら作らなければいけないサービスも多いですし、なおさらそのとおりだと思います。ただ、なんぼーさんはその後、その美味しいポジションをやめて(笑)、独立されたんですよね。そして今に至る。

なんぼー:自分の力で仕事をしてみようと思ったんだよね。大企業、ベンチャーと経験して、違うことをやってみようという気持ちもあった。

りょかち: “これまでと違うことをやる” ということ自体が、目的の一つでもあったんですね。

なんぼー:最初に話したとおり、常に3年ごとを目安に仕事環境を新しくしたほうがいいと思っているんだよね。メルカリはスピード感のある会社だったからもう少し短いけど、数年ごとに環境を変えていて、今は新しく人を雇おうというチャレンジをしているところ。

りょかち:すごい!でも気持ちはわかります。数年同じ環境で働くと、だんだん刺激がなくなってきますよね。そして、「このままでいいんだろうか」と不安になる。私も同じタイプかもしれません。

なんぼー:意識的に、常に新しいことに挑戦していくというか。それも、できるだけ今やっていることと異なる事ができるようにする。人生にカオスをもたらすのはすごく大事。

例えば、違う会社で今と同じ業務をするのだと “足し算” 的にできることが増えていくけど、違う会社で違う働き方をすると “掛け算” 的にできることが増えていく。

りょかち:間違いないですね。違う環境に飛び込むと、その分多くの経験ができるというか。濃密な時間が過ごせる気がします。人生にカオスをもたらすのはすごく大事っていうのはすごく共感します。

なんぼー:進化のスピードが速くなるよね。転職は環境が簡単に変わるからオススメだけど、同じ会社に勤めていても、MBAに行くとか習い事を始めるとか、引っ越ししてみるとかでもいい。生活の中で変える部分は、仕事に限らなくてもいい。

りょかち:まさに、私は今回仕事は変わらないけど、住む場所はカナダへと変わるんですよね。確かに、自分にとってすごくいい刺激になりそう。その分大変だけど......。確かに、進化していると思ったら気が楽になりました。なんぼーさんも、定期的に東京とは違う地域に行かれているんですよね?

なんぼー:去年は、月に2回は意識的に“東京じゃない場所”の仕事を作って移動していたね。ただ、学生時代に47都道府県全部回ったことがあるから、旅行っていう感じじゃなくて、本当に散歩したりその地域のご飯を食べたり、暮らすように旅をしている感じかな。

場所を変えると、ノンバーバルな情報が入ってきて、新しい発見がすごく沢山ある。違う刺激を得ると、癒やされるし色んなアイデアが出てくる。旅行みたいにあちこち観光スポットに行かなくても、何もしなくてもいい。

移動して、違う空気を吸うだけで刺激になるんだよね。旅行って強制的なインプットだから。景色やお土産、人、空気、匂いとか何を見てもインプットになる。

りょかち:確かに、私なんかはまだ東京も知らない土地ばっかりなので、新しい街にいくとすごい色んなアイデアが湧いてきます。

なんぼー:アイデアの量は移動距離に比例するからね。

りょかち:それは確かに聞いたことがあります。今回の話でその言葉の理由が分かった気がします。

なんぼー:りょかちも、カナダで無理に何かをしなくてもきっと、良いインプットが沢山あると思うよ。いってらっしゃい!

りょかち:常にカオスを楽しむ人生でいたいですね。カナダ滞在、楽しんできます!

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