たよさん(新潟の方言)
たよさま (新潟の方言) の解説 神主
たよさまにおはらいしてもらう
(神主様にお祓いしてもらう)
うちの婆さんは、「たよさん」と言う。「たよさん」ってなんだろうと思ったら、新潟の方言で神主さまのことを呼ぶらしい。
実家の住所は、現在は上越市だけど、元は○○郡○○町。その中の一つの地域。つまりだいぶ田舎。
地区の行事が未だいっぱいある。
小さな鎮守の祭り日には、たよさんが一件ずつ民家を回ってお祓いして下さる。
婆さんは春が近づくと、家の回りの片付けと草取りに精を出す。
「たよさんが回ってくるからきれいにしとかないと。」
雪が消え、まだ雑草と言ってもたくさん生えてるわけじゃないけど、小さな草を一つ一つ丁寧に抜いていた。
ところが、毎週送迎してくれる高齢者サービスの時間と重なってしまい、「たよさん」が回ってくる日だと言うことを忘れてしまった。
「たよさん」に渡すお礼?ご祝儀?も準備してたのに、家に帰ったら「たよさん」が家々を回り終わった後だったとアレクサ越しに話す婆さん。
高齢者サービスの送迎バスが来てくれる時間も最初は怪しかった。
でも最近は前もって連絡しなくても、アレクサに予定を入れておくだけで済むようになった。
そっちに行っちゃうと、他のことに頭は回らなくなるよね。私も気を付ければ良かった。
婆さんが嫁に来てから60年以上、「たよさん」に礼を尽くしてきたんだから、一回くらい忘れてもバチは当たらないだろう。
しょぼんとした婆さんがかわいそうだった。