婆さんと車に乗ると
実家に来て一週間。昨日父の三回忌を済ませ、弟を駅まで送って行った。
結構ギリギリに着いて、駅まで運転していた弟が車を止めた瞬間、なぜか後部座席に座っていた私に向かって蜂が飛び込んできた。
ぎゃーと叫ぶ私を尻目に、じゃあ俺行くよと、弟は駅に向かって去って行った。必死にハチを追い出す。
帰りは私が運転か。運転席に座ってハンドルを握ると、ハンドルロックかってますけど~。
私が大声で叫んだせいで、弟がグイッとやったんだろうか?
婆さんが車を降りて、こっちに向いてるよ(右だと)。
じゃあエンジンをかけながらゆっくりハンドルを左に・・・動かん。
いったんエンジンを切って、私も外にでて見ると、左に目一杯曲がってる。婆さん騙した?
やっと動いたけど、一気にくたびれた。
私は運転が苦手だ。
実家にいる時しか運転しない。それも、やっと。
誰か隣に座っててくれないと不安になる。例え婆さんでも。。
ナビが着いてるわけでもないので、知らない道は婆さんナビが便りだ。
なぜか道は覚えてて、ちゃんと目的地に着く。
そこは一時停止だとか、止まれば「はい、オッケー」とか、いちいち口に出す。教習所の先生かよ。
そう思いつつ、また今日も婆さんを助手席に座らせて、あちこち出掛けた。
ここにいるうちに、あれもこれもとやることがいっぱい。
婆さんのスケジュールが立て込んでいるので、その合間に通院だの銀行払込日の手続きだのバタバタ。
日曜日には選挙に行くと行っている。
私が実家にいるうちに期日前投票に行こうと婆さんに言うと、選挙当日に行くと言う。
誰に投票するか決まってる?と聞けば、今回は何の選挙だ?と。
スマホで候補者を見せると、広告の裏に候補者全員の名前を書き出していく。
物忘れは激しいけど、選挙は自ら投票所に行かなければならないという固い意思があるようだ。
婆さん、すごいね。