テレ東ドラマシナリオ案/「月がきれいですね」#100文字ドラマ
【 「月がきれいですね」シナリオ案 】
◎全体的な設定
・「すき」という言葉、愛情表現に関する言葉(「愛してる」など)全般が日本から消えている体で考えている。 しかし「キス」や「ハグ」などの表現は残すか、いつ頃「すき」という言葉が消えたか等は決めていない。
・海外で使われている言語(「アイラブユー」や「ライク」など)は、現段階で使わずにいこうと考えている。
・主人公であるリオは、なんとなく「すき」という感情に気付いているが、それがわからず悶々としている。その他の登場人物も同様に気付いているが、表現方法に迷っている。(誰かは「すき」という言葉を知っているということでも可)
・リオは「すき」という気持ちを「もわもわ」という擬態語で表している。今後の登場人物もそれぞれ擬態語で「すき」を表していく予定。(できるだけ「どきどきする」といった、すでに使われている擬態語は避けたいと思っている)
・「すき」の反対である「きらい」とのパワーバランスによって「すき」が消えてしまったという体にしたい。
・1月期ということで、全話の季節は冬。
◎話の流れ
・リオの「すき」に対する悶々とした気持ちと、クラスメイトたちのリオに対する「すき」を表現する。
・はじめはリオの視点で、それ以降はリオ以外の視点からみて感じた「すき」の擬態語を使ったストーリーを構成する。(クラスメイト、リオの母、リオの妹など) そして最終的に「すき」がなくなったのは……といった、核心にせまる内容にする?
(例) 1話 月がきれいですね -もわもわ‐
2話以降 月がきれいですね -(擬態語が入る)-
◎登場人物
主人公 リオ(女子高生)
すきなもの:犬?
リオのクラスメイト・幼馴染(男)
すきなもの:リオ、リオ似のアイドル
リオのクラスメイト(女)
すきなもの:髪を短く切ったリオ
☆今後主人公として登場させる、あるいは関わらせる?
リオの母
すきなもの:亡くなった旦那、記念日
リオの妹(不登校)
すきなもの:漫画作品
リオの父(故人)
すきなもの:研究
生前は「すき」について研究していた。
◎シナリオ(省略箇所もアリ)
リオN「わたしのきらいなものは、ピーマンです。 でもそれ以外のものは……食べれます」
◯リオの家・リビング(朝)
制服姿のリオが愛犬を持ち上げて首をかしげている。
◯高校・教室内(朝)
リオ、リオのクラスメイト(女)が話をしている。
クラスメイト(女)「もわもわ?」
リオ「そう。 我が家のお犬様をみるとさ、なんかこう、もわもわ~ってなにかがさ、自分を襲うの」
クラスメイト(女)「何それ」
リオ「自分でもわかんないんだけどさ。 でも、気持ちがわるいような、わるくないようなっていうか、この感じなんだろうなって」
クラスメイト(女)「単純にあたまの調子が悪いだけじゃ?」
リオ「酷っ! まぁ確かに馬鹿だけどさ。 でも、こんなにずっともわもわ~っておかしいじゃん」
クラスメイト(女)「別にいいじゃん。 そんなにムキになんなくても」
リオ「いや、これは絶対答えをださなきゃいけない気がするんだよね」
クラスメイト(女)「まぁ別にいいけどさ」
そこにクラスメイト(男)が入ってくる。
クラスメイト(男)「おはよう」
リオ「ねぇねぇ」
クラスメイト(男)「またあの話?」
リオ「うん。 またなったの!」
クラスメイト(男)「それさ、だいぶ前からずっと言ってるよな」
クラスメイト(女)「そうなの?」
・リオが言い始めた年齢から何年たっているかは確定でない。(現段階では数十年前)
◯リオの家・リオの妹の部屋(夜)
ベッドで漫画を読んでいる妹のところにリオが入ってくる。
リオ「あんたなら分かる?」
妹「何?」
リオ「もわもわってヤツ」
妹「は?」
リオ「ほら、あんたにもない? だっておんなじ血が流れてるんだし」
妹「意味わかんないんだけど」
リオ、妹の漫画を指差しながら、
リオ「あ! それ、その漫画とかさ、その」
妹「さっきから何が言いたいわけ? どうせあの人(母)が話しかけろとか言ったからなんでしょ?」
リオ「あの人、じゃなくてお母さんでしょ」
妹「……(擬態語)だよ」
リオ「え? それ変。」
妹「お姉ちゃんだって変じゃん」
リオ「そう?」
妹「だいぶ変だよ」
リオ「なんかよくわかんないけど、あるにはあるんだ」
妹「うん」
◯同・リビング(夜)
リオの母が座るソファーにリオも座る。
リオの母「(妹)どうだった?」
リオ「うん、漫画読んでたよ」
リオの母「いつもごめんね」
リオ「ううん。 あ、あのさ、お母さんもある?」
リオの母「何が?」
リオ「なんかこう、もわもわするとき」
リオの母「もわもわ? どういうときに?」
リオ「私は犬をみたときになるんだけど」
リオの母「うーん、よくわかんないけど。 なにかわからないってのは確かにあるわね。 なんか霧がかかってて、白っぽくて、見えない何か」
リオ「白……確かに白かも!」
リオの母「そういえばお父さんも研究に没頭しているとき、そういうことよく言ってたわ」
リオ「お父さんが?」
リオの母「リオはお父さんに似てホントあきらめが悪いから」
リオ「お父さんもわからなくて悩んでたのかな」
リオの母「そうねぇ」
リオ、リオの母が仏壇のほうをみる。
・リオがしばらく本を読み漁って調べている様子をクラスメイト(女)、クラスメイト(男)がみているシーンを入れる。
・その後、父の研究室に残っている研究データをみつける。データ内容は父が別の擬態語を使って表現した論文。そこに「月がきれいですね」、「きらい」というワードが書かれている。それをリオが見つけ、考えるシーンを入れる。
◯ファーストフード店・内(夕)
リオ、クラスメイト(女)、クラスメイト(男)が話をしている。
クラスメイト(女)「で、答えは出たの?」
リオ「ううん」
クラスメイト(女)「もういいんじゃない? そんなに根詰めなくても」
クラスメイト(男)「そうだ、諦めたほうがいい」
リオ「……お父さんがさ、調べてたんだよね」
クラスメイト(女)「ん?」
リオ「おんなじこと調べてたみたいなんだ。 でも、お父さんでもわかんなかったみたい」
クラスメイト(男)「お父さんって確か、結構有名だったよな?」
リオ「うん」
クラスメイト(女)「そんな人が調べるって、ヤバい内容ってこと?」
リオ「それは違うと思う。 むしろ大事なことのような気がする」
クラスメイト(男)「で、俺らはどうすればいい?」
リオ「え?」
クラスメイト(男)「一応、幼馴染だし。 こいつも(クラスメイト(女))もお前の事、友達として協力したいと思ってるって言ってたからな」
クラスメイト(女)「まぁ、まぁね」
リオ「ありがとう。 じゃあさ、2人のもわもわ~ってなるとき、教えて」
クラスメイト(男)「多分だけど、俺はアイドルだな」
リオ「お! それはまた初めての部類だ」
クラスメイト(男)「お前は?(クラスメイト(女))」
クラスメイト(女)「え、そんな急に言われてもさ」
リオ「何?」
クラスメイト(女)「わかんない」
・この後、イルミネーションを見にみんなで行く。そのときに気分転換で髪を切ってきたリオにクラスメイト(女)が感情をあらわす。クラスメイト(女)とリオが楽しそうにする姿をみて、クラスメイト(男)が嫉妬の感情をあらわす。
◯高校・屋上(夜)
・「月がきれいですね」の意味を調べるため、リオ、クラスメイト(女)、クラスメイト(男)が高校に忍び込み、屋上にいく。
・屋上から見える月は、満月。
リオ「きれいはきれいだけど、これがもわもわと、ほんとうに関係があるのかな?」
クラスメイト(男)「さぁな」
リオ「月がきれいですね」
クラスメイト(男)、クラスメイト(女)が髪をさわったり、その辺をウロウロしたり、動揺し始める。
リオ「え、どうしたの?」
クラスメイト(女)「なんかよくわかんないけど、変」
クラスメイト(男)「お、俺も」
リオ「この言葉になにかあるのかな? (クラスメイト(男)に向かって)ねぇ、ちょっとわたしに言ってみて」
クラスメイト(男)「え、嫌だ」
リオ「なんで?」
クラスメイト(男)「わかんねぇよ」
クラスメイト(女)「わたしも無理。 っていうかこういうの嫌」
リオ「それって、きらいってこと?」
クラスメイト(男)「だろうな」
クラスメイト(女)「うん」
リオ「あのさ、きらいの反対ってなに?」
クラスメイト(男)「反対? そんなのあるか?」
クラスメイト(女)「それがあんたが言う、もわもわなんじゃないの?」
リオ「きらいって感情はみんな共通で持ってるでしょ、こうして。 でも、もわもわって思ってるのは、わたしだけで。 みんな違うってのはなんか孤独な感じっていうか」
クラスメイト(男)「たしかに」
クラスメイト(女)「今思ったんだけどさ」
リオ「何?」
クラスメイト(女)「さっきリオが「月がきれいですね」っていったときさ、そんなつもりないのに嫌だとか、きらいって思ったかも。 っていうか、そう思うことのほうが楽っていうか」
クラスメイト(男)「俺も、ちょっとこれ以上はムリってなんか身体が拒否った感じ」
リオ、満月をみながら、
リオ「じゃあ、知らない方がいいの? ほんとうにそれでいいのかな?」
クラスメイト(女)「私はこのままでいい」
クラスメイト(男)「俺も、かな」
リオ「……」
続く
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