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実写映画「青くて痛くて脆い」〈感想〉

映画の感想です。
以下、ネタバレもあると思いますので、
見たくないという方はスルーしてくださいm(__)m





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自粛期間が終わってもなお、未だコロナに脅かされ、
家で過ごされている方が殆どだと思います。
私自身も家でテレビをみたり、映画鑑賞をしたり、
時々外出する日々を繰り返しています。
でも、段々と映画館や舞台も復活してきていますよね。
以前のようには上手くいかない、イレギュラーな毎日ですが、
ちゃんと対策ができれば大丈夫だ!というところまで
若干兆しがみえてきているのかな?と思います。
きっと色んな方が対策をとってくださってるおかげだと思いますが…
新しい生活様式の最中、やはり映画館や舞台のステージに
お金を費やしてきた身としては、ずっと悶々としています。
実際、楽しみにしていたステージが中止、映画も延期を発表され、
仕方ないことなのですが、ショックも大きいです。
まだ完全復活、という訳でないと思いますが、
映像の世界やステージに助けられてきた身でもあるので、
ぜひ今後も中止などにならず、生配信等で対応されるなど、
無事みなさんが楽しめるような環境に
いち早くなることを祈っています。ささやかですが。

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前置きが長くなりすみません。汗
以前は月1単位で行っていた映画館も、舞台も、
コロナの影響で数ヶ月ほど我慢を重ねていたということを
伝えたかっただけなのですが、長くなりました。笑
もうそろそろ映画館でみたい!!とウズウズしていた頃に、
この映画の予告映像を何度も拝見して、見に行きたいと思いました。

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やっと映画の感想です。汗
まず、何から言えばいいのか…
とにかく色んなことが凝縮されていたなと。
私もSNS世代であるので、SNSの怖さも何となく身近に感じて、
なるだけ身内だけで留めるとか、あまり広めないようにとか、
そういう意識はもっていても、やはりどこで何が行われてるか
わからないし、私は何せ小心者なので…笑
でも。自分から何かを発信しなければ、伝えなければ、
世界ってのは変わらないという現実もあるなぁと確かに思い。
そのための手段、あくまで目的はそこじゃないけど、
使えるものは使うというか。コネ入社みたいな感じで。
でも、その分色んな犠牲も付随してくるなと思います。
傷つけることもあるかもしれないし、傷つけられるのかもしれない。
しかしながら。何かをしなければ、叶えられないもの、夢。
凄くリスクも高いし、だけどそのために頑張ってきた努力や経験、
すべて無駄でないだろうけど…あぁ辛いという感じが。笑
大学生でありながらやはり青さというか、学生だから
出来ることが限られてる感じがもどかしい反面、
ちゃんと信念みたいものもそれぞれの登場人物が持っていて、
それが上手くいけばいいのに、いかない感じ。
それが凄く繊細に描かれているなと思いました。

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住野よる先生の作品の実写を拝見するのは、これで2度目になります。
以前みた「君の膵臓を食べたい」でむちゃくちゃもどかしさや
どうにもならない感情というか、そういう繊細さに心打たれて
感動したのを覚えていたので、今回もそういう系なのか?と
見る前は思ってましたが。
「この青春には、嘘がある」という予告映像のとおり、
また違った視点のどうにもならない感情が描かれていて、
グサリグサリと心に刺さりつつも、なんだか分かる分かるという
感情も出てきた感じが凄くありました。経験したわけでないのに。

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やはり裏切られるのは嫌だなと思いました。
もちろん、信じてた人であればあるほどだと思いますが。
でも、何を持って信じてたんだろう?とか
そういうことを考えると、意外と人同士の信頼とかって、
脆いんだろうなとも思います。
本当に信じてた人が裏切ったなら、何で!?と思うのが当然。
まぁ信じてるからこそ頭おかしくなるのも分かります。笑
その世界が楽しかった、このままでいたいけど、
その先を望めば望むほど色々苦しいなとも思いながら。
信用についても少し考えました。

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私も主人公の楓とおんなじように、人見知りで
あまり人と群れないタイプなので、凄く分かる感じがあり。
実際、秋好みたいな女の子に引っ張ってってもらってきた
経験は大いにあります。笑
そういう子ほどちゃんと自分をみてくれていて、
意見も聞いてくれる。けど、こっちが開ききってないから。
疎通が出来てないことの方が多かったと思います。
今となっては申し訳ない気持ちもあるし、本当に自分のこと
みてくれたのかな?なんて思ってしまうときもありましたが。
ある意味、独占欲的なものもあると思います。
お互いがどう思ってるか、どういう考え、魂胆なのか、
そんな話をする機会なんて普通ないと思います。
特にこのご時世だと、
面と向かって、時間を合わせてなんていう余裕もない。
恋人や夫婦でもちゃんとあるのかどうか…
その中で自分を裏切ったかもとか、信頼してたのにとか
思ってしまうのも無理ないけど、
そう思ってないのに、全く違うのに、
すれ違うのは凄い勿体ないなぁと思いますが、
そういう出来事でもなければ
本当の信頼というものは得られないのかな?と
映画をみて思わず思ってしまいました。

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こんなはずじゃなかった!と言う感じが散りばめられすぎて、
苦しく過ぎてうう…となりそうな部分もありました。
誰かと夢を語る、分かち合う、信じる、疑う、陥れる…
どうにもならない感情を砕くために沢山のことを人間はできる。
けど、それをすることはどれだけのものを失うか。
そのときの感情にまかせて実行してしまいがちだけど、
自分に待った!をかけれたら。自分がもっと柔軟だったら。
後悔しないようにするのは大変ですが、もし今止めれるなら。
今の若い人、私も一応若い人と呼ばれる者ですが。笑
ぜひ一度とどまって考えて!と思いました。主人公の楓にも。

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映像表現でパラパラ漫画だったり、感情が大きく変わるシーンで
メラメラとした雰囲気をつくったり、本当にわかりやすく
変化していく様子やリアルな繊細さが
緻密に書かれているなと思いました。
特に楓と秋好が言い合うシーン、最後のシーンなどが、
特にもどかしさを表現していて、そしてまさしく
「青くて痛くて脆い」という印象でした。

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主演の吉沢亮さん、杉咲花さんの作品は好きで
よく拝見しているのですが、お二人の表現も凄く胸打たれました。
吉沢さんの、人と適度な距離をとってたのに、急に沢山関わって
周りが変化して、適応していこうとしたのに、
どんどん自分の思い描いていた現実ではなくなって
ついに復讐してしまうという苦しさ。
杉咲さんの、大きな夢を叶えるため、
努力して徐々に積み重ねたものをいきなり壊された悲しさ、想い、
しかしそこにあった本当のものに気づく感じ。

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「誰かに投影しながらみれる作品ではないか」と
確か吉沢さんが何かの番組でおっしゃってましたが、
他の俳優さんがそれぞれ演じる人物も、
自分とは大きく違う性格や容姿なのに、なんだか分かる感じで。
・最初は同じスタートだったけど、段々信念が違ってきて。
気持ちと裏腹に、エスカレートしていく現実と友達。
一体、どこまで友達として言うべきか、どこで止めてあげるべきか。
頼りなさそうに見えるけど強い優しさのある人。
(岡山天音さん)
・色々見えて普段から分かってるからこそ分かってないような
ふわふわ感をあえて醸し出している。
まるで色んな人物を自分が演じているように見えるけど、
どれもこれも自分。一番悟ってる。
(松本穂香さん)
・みんなから信頼されて頼りにされて、
何もかも持ってるように思うけど、上手くいかないこともあって、
変な噂立てられても頑張ってる努力家のリーダー。
(清水尋也さん)
・心を閉ざしているようだけどちゃんと自分を持っていて、
いいと思ったことを貫いていく、受け継いでいく良き後輩。
(茅島みずきさん)
・不登校で凄く深い闇を抱えているけど、やりたいこともある。
でも現実の苦しみに上手く乗り込めなくて、まさに青さの極み。
(森七菜さん)
・先生として、たくさん経験してきた大人として伝えたい。
けど、受け入れてもらえない。一筋縄ではいかない生徒を
一生懸命諭そうとしてるだけなのに、空回りしてしまう。
(光石研さん)
そして、個人的にですが、、
柄本佑さんが演じられていた先生が印象的でした。
「間に合わせのために使われたっていいじゃない、
そのときは必要とされたんだから」
という台詞が刺さりました。
ちょっとでも必要って思ってくれただけでいいのに、
何でまだ求める?って思わず自分の今までを振り返りました。
欲の塊というか、人間の性というか、なんだか深いところに
落とし込んでいけた感じがします。

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今回のテーマであると思う、「なりたい自分」。
個人的にも大きなテーマです。
全てが上手くいくとは到底思わないけど、
結果的になりたいものになれればなと思ってはいます。
でもその分。
色んな失敗もするだろう、傷つけるだろう、
犠牲にしてしまうであろう、後悔もするだろう、、
その中でいかに自分をなりたいものにするか。
目的と手段は違うという感じですが、難題だと思います。
でも私も含め、楓や秋好もきっとこれから。
今からでも遅くない…のではと思います。
そういったポジティブな部分を最後にどーんと投げられて、
やっぱり凄いなと思います。
最初に話したとおり、本当に凝縮されています。
色んな事が見えて、色んな事を感じて、色んな事を教えられる。
そんな映画だと思います。

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久々の映画館でみた作品が「青くて痛くて脆い」で
良かったなと思います。
色んな事考えるべき時と思っていたのですが、
この状況下なので。
アルコールや検温をしていても、やはり不安でした。
結構人も入っていたし、空気の循環は大丈夫なのかなとか。
しかしながら一席空けて座る、常に清掃する、
回収した飲み物を早く捨てるなど対策をとられていて、
普段過ごしている最中、見えないところで
万全で挑んでくださってる方々がいるのだなと思いました。
きっとこういうのも、見えてない部分、感じてない部分が
どっかにあるんだろうなと思いながら。
全て分かるなんて絶対といってもいいくらい無いことだろうなと。

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今、この映画の主題歌になっている
BLUE ENCOUNTさんの「ユメミグサ」をループ再生しながら
書いているのですが、、
「あなたをもっと抱きしめてたなら 今でも一緒に歩いてたのかな?」
という歌詞がまさにこの映画の感じが出ていて、
映画の雰囲気を感じます。
タラレバと良くいいますが、やはり後悔はつきものだなと。
あと、「大人になんてなれやしないよ 大人になんてなりたくないよ」
という部分があるのですが、
大人になるっていうのも深いテーマだなと思います。
どこまでを許容範囲とするか。
とにもかくにも、悩み苦しむだけでなく、色んな視野から
色んな事を見ていく大切さを改めて実感しました。
もっと視野を広げ柔軟に…出来たら損は無いんですけど。
もどかしい、難しい、苦しい、、色々な感情が渦巻いてます、今も。
また数年後とかに見てみたいなと思います。





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